内容説明
刑事のエリザベスは、少女監禁犯を拷問の上、射殺したとして、激しい批判にさらされていた。州警察が調査に乗り出すが、彼女には真実を明かせない理由が……。同じ頃、エリザベスの元同僚の警官が刑務所から釈放される。ある女性を殺した罪を認め服役していたのだ。だが、エリザベスは尊敬する彼の潔白を信じていた。男はうその証言をしたのか? ――様々な秘密を抱えた女と男の道はやがてひとつに繋がり、信じがたい邪悪の存在を暴く! アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)二冠作家が圧倒的筆力で放つ傑作巨篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
70
著者2作目。すごかった!面白かったけど、なんだろう。なんか腑に落ちないというか、すっきりしないというか。。。女性殺人事件の犯人として収監された元刑事エイドリアンとレイプされた過去を持つ女刑事リズの二つの軸で物語が進む。リズの情愛の濃さ、気性のまっすぐさが悲劇を呼ぶが、救いにもなっている。殺人犯の正体は予想どおり。刑務所長の圧倒的な存在感からラストは拍子抜けかなぁ。しかし殺人犯、所長、ベケット夫婦と気持ち悪い人たちが多い中、ギデオンの可愛さが救いだ。終わりなき道ですが、これでいいのか?すっきりしない。2017/05/09
のぶ
68
とても長いが、しっかりしたプロットの元で書かれた重厚な物語だった。表面上の主人公は刑事のエリザベス。少女監禁犯を過剰な銃撃で射殺したとして問題になっていた。もう一人の元刑事がエイドリアン。女性を射殺した罪で服役していた。それぞれの人物は表に出せない事情を抱えていて、これを軸に話は進む。決して舞台のスケールが大きなわけではなく、限られた世界の話なのだが、徐々に真相の明らかになっていく過程が実に読ませる作品だった。ある種、歪んだ家族小説といえるかもしれない。2016/10/01
星落秋風五丈原
57
それぞれ結構重き荷を背負っているのに、皆悩みを自分で解決してしまう。どんないたいけな少女でも、無力に見える少年でも、自分で何とかしようと行動を起こす所がアメリカ的だ。救いの手を差し伸べる人間関係はあるものの、最終的には自分で決着をつけるべきだという考えが根底にあるのかもしれない。かなり感情移入しているのか、彼女の心情をじっくり描いているため「のろい!」と感じる読者もいるかもしれない。Redemption Road=償いの道という原題は伊達でなく、彼等の秘密はずしりと重い。2016/10/12
ひめ
42
結構しっかりした本で、読むのに時間がかかりました。犯罪者かもしれないエイドリアン。エリザベスはどうして彼をそんなに信じることができたんだろう。エリザベスは同僚たちに愛されているなぁ。嘘をついてまで、犯罪に手を染めてまで、横領の罪をかばうのは、アメリカでの横領の罪が重いからなのか?後ろ暗いことなく生きていくのって大変だなぁと思った。2016/10/12
拓郎
38
動機が酷過ぎる。海外の推理小説も大分キツくなって来ました。2020/10/25