SB新書<br> なぜ日本は同じ過ちを繰り返すのか 太平洋戦争に学ぶ失敗の本質

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SB新書
なぜ日本は同じ過ちを繰り返すのか 太平洋戦争に学ぶ失敗の本質

  • 著者名:松本利秋【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • SBクリエイティブ(2016/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784797387063

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内容説明

今でも日本の問題点として指摘されるリーダーシップや意思決定の不在。
あの戦争の時も、首相も天皇も最終的な決定権はなく
誰も望んでいない開戦に押し流されていった。
典型的な無責任国家は今も現在進行形である。

日本が戦争への道に転がっていった過程を見ると、
「決められない」「時流に便乗する」「空気に流される」
「見通しを誤る」「先送りする」「棚上げする」
といったことがある。

そして開戦後も多くの指揮官のリーダーシップの不在により、
ときに不決断を引き起こし、いたずらに兵力の消耗をもたらした。
戦局の前半では快進撃を続けた日本軍も、
その後、数々の作戦の失敗から学ぶことなく、
雪崩を打って敗戦へと向かったが、
その裏では、組織が陥りやすい意思決定の矛盾や、
大本営と現地とのコミュニケーション不全といった、
極めて今日的な問題が起きていたのである。

そして先送りによる最大の失敗は、「降伏決定の先送り」である。
天皇の「時局の収拾も考慮すべきだ」という敗戦の覚悟を、
戦争指導者全員が共有できていたら、
国民の犠牲者はもっと少なかったはずだと考えられる。

こうした日本的な組織の特性は、
戦後の日本の組織にも無批判に継承され、
今日の日本企業の凋落と衰退を生み出す大きな要因となっている。
赤字事業の売却、撤退の判断…がその典型的事例だ。
決定が遅れれば、損失が膨らみ、いよいよ処理が難しくなる。

本書は日本軍と現代日本に共通する組織的特徴(欠陥)を、
これまであまり指摘されてこなかった
「不決断」「先送り」という視点から読み解き、
現代日本人の教訓とするものである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tolucky1962

13
太平洋戦争の失敗を解説、今の日本の問題の本質を探る。今年7/15初版。サブタイトルは著名な書「失敗の本質」から。章の最後に最近の政治や企業での問題と対比。降伏直前の日本政府は酷い。P188誤報を海軍はひた隠し何万という将兵を無駄に死なせる..本土決戦の準備..アメリカ軍と刺し違えるよう指示したが武器も弾薬もなかった..日本人が二千人も死ねば相手も相応の死者が出るから占領を諦めるかもしれない..今流に言えば国民には知らせるな、命より国家が優先の思想で、大量に死者が出ても国体が倒れるまで変わらないのだろう。2016/07/17

新父帰る

5
太平洋戦争の失敗の本質を現代企業の失敗と照らし合わせながら分析。一言で言えば、「無責任と先送り」体質。本書では陸軍・海軍の事例を取り上げているが、海軍の方が多いように感じた。三国同盟、ノモハン事件、インパール作戦、ミッドウェー海戦、台湾沖航空戦、レイテ沖海戦等。関心の項は、「統制経済が新兵器開発を遅らせた」ところ。1938年の国家総動員法かが、イノベーションの芽を摘み取り、開発競争を回避。一方、アメリカはベンチャー企業が次々と立ち上がり、ゼロ戦を凌ぐ戦闘機が続々開発された。現代に通じる話も盛りたくさん。2016/11/07

こも 零細企業営業

4
立法府に出される行政府からの書類は偽造、隠蔽、改竄を疑わないといけない昨今。 先の大戦で愚かな行いをした軍は解体されたが、行政府の官僚機構はそっくりそのまま残った弊害が表面化して来てる。 その為の警報装置、マスコミは資金面で拘束され都合の良いプロパガンダを垂れ流す。 日本は失敗から何も学ばない愚かな国だと再認識した。2018/12/31

nnnともろー

3
無責任体質と先送り体質は変わっていない。2016/09/08

Shinichi Takahashi

1
今も昔も組織は変わらない。本書は日本軍と現代企業を比較対象としているが、企業だけではない。国も行政もみんな同じ。直近の豊洲市場の問題とずいぶんと被って見えてしまった。2016/09/26

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