内容説明
かわいくて切ない英国版「ドラえもん」小説。
2016年ベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれた、英国版「ドラえもん」小説!
AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に従事するアンドロイドが日々モデルチェンジする、近未来のイギリス南部の村。法廷弁護士としてバリバリ働く妻エイミーとは対照的に、仕事も家事もせず親から譲り受けた家で漫然と過ごす34歳のベン。エイミーはそんな夫に苛立ち、夫婦はもはや崩壊寸前。
ある朝、ベンは自宅の庭で壊れかけのロボットのタングを見つける。「四角い胴体に四角い頭」という、あまりにもレトロな風体のタング。けれど巷に溢れるアンドロイドにはない「何か」をタングに感じたベンは、彼を直してやるため、作り主を探そうとアメリカに向かう。そこから、中年ダメ男と時代遅れのロボットの珍道中が始まった……。
「とにかくタングがかわいい!」と世界中の読者を虜にしている、抱きしめたいほど切ない物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
832
著者のデビュー作。妻のエイミーも姉のブライオニーも第一線の法廷弁護士として活躍。主人公のベンはといえば無職で、これといった学歴や特技もない。ただ、両親の残してくれた家と、なにがしかの財産はあるのだが。そんな彼のところに舞い込んできたのが時代遅れのポンコツ・ロボットのタング。本書はアンドロイドが一般化した近未来の疑似SFなのだが、本質はそこにはない。実は、もっぱら「愛」の在処を問う物語なのだ。著者も女性だが、共感する読者層も女性が中心であるようだ。男の読者(私も含めて)には、いささか甘すぎるように思われる。2018/04/06
黎明卿(禍腐渦狂紳士タッキー)
554
【僕、ベン見つけた。僕、ベン大好き(タング)】夫婦仲が崩壊寸前な状況の中、自宅の庭に迷い込んだ旧型のロボットを発見したことで始まる中年ダメ男とポンコツ男の子ロボットの珍道中。レトロなロボットのタングですが、仕草や表情の動きが豊かで、怒ったり・喜んだり・いじけたりとまるで人間の子供みたいな感情表現や行動が可愛い!ベンにとっての良き相棒となっているのが微笑ましく、ストーリーが進むにつれてタングがより人間に近い成長を見せるのが凄い。また、ダメ男のベンも様々な場所へ行き、人との出会いを経て成長する姿もハートフル♡2020/03/29
しんごろ
545
AIが話題になっている今、タイムリーな作品ですが、冒険物語だとは思わなかったです。幼さがあるロボットのタングとベンの互いに認め合い成長していく姿に、癒され温かくなりました。もし自分がタングと一緒だったら、ちょっとタングのワガママには手に負えないかも…と、勝手にイメージするくらい感情移入して読める素敵な作品でした。ただラストはタングを置き去りにされた感じで、ラストもタングを、もっと登場させてほしかったかなと思います。そうは言いつつも面白かったです。とりあえずベンは保育士になった方がいいね(笑)2018/01/14
小梅
447
ある日、崩壊間近の夫婦の家の庭にロボットが現れた。レトロなロボットのタング。もう可愛いったら💕続編も楽しみ❣️2017/11/24
雅
241
ダメダメな主人公と子供なロボットが旅を通して成長していく物語。ロボットの一挙手一投足が本当に可愛かった。仕草を想像してはニヤニヤしてしまった。!優しい優しい作品でした2020/01/18