内容説明
新聞記者の猪瀬と「記憶屋」探しをする高校生の夏生。だが2人が手掛かりとして接触した男性の記憶が消えてしまう。記憶屋は夏生の側にいる人物――親友の芽衣子なのか。夏生は直接訊くことにするが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
217
記憶屋Ⅱの続きのストーリー。高校生の夏生が主人公で記憶屋Ⅱでの事件につい調べていくが、最後に記憶屋の正体が明かになり、そうなんだという程度。記憶屋Ⅱと同じように記憶を消すことの是か非かの議論やつぶやきが多くて食傷気味。やっと読了した。2017/12/08
紫 綺
137
記憶屋シリーズ完結編。やっぱりそうか、そうきたか!失くしたい記憶、失くしたくない記憶、その善し悪しの判別は他人がすべきではない・・・ということだな。毬谷柊のエピソードは、出てくる料理を含めてなかなか楽しめた♪2017/01/25
シナモン
116
図書館本。人の記憶を消せる怪人ー記憶屋の正体がやっと明かされました。料理人毬谷と砥上のエピソードは直接記憶屋探しには繋がらなかったけど、一度気まずくなってしまった(と自分が勝手に思い込んでいた)人間関係の修復は正直が一番だとじーんとした気持ちになりました。何度も記憶屋についての考察が繰り返され、じれったいなーと思うこともありましたが、最後は伝説の記憶屋…とかでぼかすのではなく、はっきり正体が分かったので読後感はすっきりでした。映画も楽しみにしてます。2019/10/15
りゅう☆
104
毬谷の記憶が消えた?15年前のコンテストと昨年のパーティを知らないと言う。そして同じ料理人砥上の存在も消えた。記憶屋による消されたエピソードの一つと思いきや、そこには毬谷の切ない思いが描かれていた。有名人を親に持ち傲慢だが本当は繊細な毬谷。ただ砥上と友達になりたいだけなのに。維持とプライドと言葉足らずが生んだ誤解。だからこそ記憶を失って初めからやり直したいと思う願いに記憶屋は…。結果、良かったと思える展開に安堵。自分の記憶を消すなんて怖い。楽になるけど無防備になる、その原因に対して対応も対抗もできない。→2020/01/23
インド
104
辛い記憶を抱える人々と、「記憶屋」の物語、ついにフィナーレ。第1巻から10年後、姿を消したはずの都市伝説「記憶屋」が復活。記憶に関わる不思議な現象を経験した夏生は、親友の芽衣子が「記憶屋」の正体ではないかと不安を抱く。どのシリーズもサブキャラのエピソードが濃密。彼等の希望や後悔を知り、記憶の大切さを学んだ気がする。でも、記憶に勝るものはあると思う。記憶が過去の積み重ねだとすれば、それに勝るものはたぶん、現在の外との繋がりかな(´・ω・`)。とても希望のあるエンディングだったー。2017/08/06