講談社現代新書<br> 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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講談社現代新書
欲ばり過ぎるニッポンの教育

  • ISBN:9784061498662

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内容説明

学校だけに依存しない学力向上のための論議。英語の早期教育は本当に効果があるのか。詰め込み教育は間違いか。ドリル式学習の問題点など、大きく捻じ曲がった日本の教育の「幼さ」を学力向上の観点から問う。(講談社現代新書)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

69
2006年刊行だけれど、安倍政権の教育改革がそのころ始まったことを思えば今読む意義もあるだろう。英語は使う必要が生じたら自然に習得できる。中高は土台作りで十分ではないか。現状は、英語が話せるようにならないと言って大騒ぎし、大変な時間と労力をかけている。が、すらすら話せるには環境が必要であって、ネイティブと週数回話すだけの学校にそれを求めるのは無茶だ。ただしそういう欲ばり教育の根底には、(ヨーロッパ的な絶対評価で切る厳しさと対極の)チャンスを与え続ける日本型社会があると知り、安易に全否定もできないと思った。2018/02/10

マッキー

25
日本とフィンランドの教育の比較がなされている。フィンランドは特別目新しいことはしていないが、教員に「二足のわらじ」と修士までの資格を求め、高校・大学への進学も絶対習得主義。容赦なく人間を選別するので非常に冷徹である。日本は国立へ行けない人は私立があるし、大学の増加で名前さえ書ければ入れる、なんていうところもある。「学校が福祉の役割を担ってきた」とはまさにこの事。向こうの制度を日本の教育に応用するのはいささか酷な気がする。受け皿を確保したり職業訓練校のようなものを作らないと、成り立たない。2017/11/23

takeapple

5
何でも学校で引き受けてもらい、解決できると思っているところがまず問題なんだ。学校の側も何とかできると思ってしまうのだろう。教師という立場だと、お金をかけなくても、愛情と、やる気で何とかしないと許されないと思わされてしまったり、できないのは自分の能力が無いせいだと思ってしまうものなのだろう。せめて他の先進国並にお金をかけて、1クラスあたりの人数が少なくて、必要な研修をする余裕があって、時間にもゆとりがあったら、様々な問題は解決しているのだろう。それができないのだから、欲張りすぎないのがいいのだろう。2010/08/12

shin.y

5
PISA(Program for International Student Assessment)で一位となったフィンランドの教育を最善のシステムと措定して、日本の教育と改革の行方を比較した本書。思うにIT革命は産業だけでなく、学力観にも大きな革命をもたらしたと思う。グローバル化、IT化によって詰め込まれた知識は急速に陳腐化した。今、求められるのはそれら情報の収集、取捨選択、応用スキルであり、その根幹となる「考える力」が教育で求められるものだと思う。「選択」という優しさの中にも格差が潜む時代なのだから。2015/05/19

Ken Terada

4
この人は僕の心の代弁者か!って思った.もちろん僕よりももっと進んだ知識・考え方を持っていた.予算もないのに,教師ならできるでしょう,という意味不明な前提の上に成り立つ議論.耳あたりの良い教育目標が掲げられ,超絶うさんくさいのにだれもそれにストップを掛けない.正直こんな目標,あってもなくても教育は変わらないよ.できたらいいねって理想と,それをすべての教師が達成できることとは天と地の差がある.要求するだけ無駄ってことに気づかないと.2014/09/10

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