PHP新書<br> 乃木希典と日露戦争の真実 - 司馬遼太郎の誤りを正す

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PHP新書
乃木希典と日露戦争の真実 - 司馬遼太郎の誤りを正す

  • 著者名:桑原嶽
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • PHP研究所(2016/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569830148

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内容説明

『坂の上の雲』は間違いばかり、「乃木愚将論」は真っ赤な嘘! 実は乃木大将が「戦上手」だったからこそ、日本は救われた――。司馬遼太郎が『坂の上の雲』や『殉死』で描き出した乃木希典像は、「愚将」「戦下手」などというものであった。だが、実際の乃木は、まったく違っていた。本書は、陸軍士官学校(52期)、陸軍中野学校に学び、戦後は陸上自衛隊で陸将補まで務めた著者が、精緻な戦史分析に基づき、西南戦争から二〇三高地、奉天会戦まで、乃木希典の生き方と戦いの実相を描き切った真実究明の書である。以前、私家版のようなかたちで『名将 乃木希典』と題されて発刊され、ほぼ乃木神社の社頭のみで販売されていた本だが、その透徹した内容が話題を呼び、高い評価を受けてきた。その伝説の書が、いよいよ新書での復刊である。「そもそも本書執筆の動機は、司馬氏の日露戦争に関する記述があまりにも偏見独断に満ちているにもかかわらず、それがあたかも歴史の真実かのように広く信ぜられていることに、義憤の念止み難きものがあったからである。あまりにも多すぎる簡単な史実の誤りに対し、いったい彼は資料を本当に読んでいるのかと疑問をもつようになってきた」(……「あとがきにかえて」より抜粋)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鐵太郎

22
乃木希典とは、司馬遼太郎氏の「殉死」「坂の上の雲」などによって「謹厳実直で真面目な人格者であるが軍事的には無能」と貶められた明治時代の軍人。しかしその評価は正当なのだろうか。 ──と考える人の一人、終戦時陸軍少佐だった桑原嶽氏(陸士52期)が、軍事の専門家として乃木の戦歴、日露戦争時の指揮ぶりを見直し、名指揮官としての乃木希典を描いたもの。と同時に、作家として敬意を持っていると言い訳をはさみつつ、司馬氏の著作を執拗な口調で罵倒しており、それがこの本の骨子となっています。そこがいささか鬱陶しいですな。(笑)2021/11/02

Tomoichi

19
司馬遼太郎の「坂の上の雲」で描かれた愚将としての乃木希典、旧陸軍・創生期の自衛隊で活躍した著者が資料等を駆使して「坂の上の雲」を批判し、誤りを質し、真実の乃木を語る。多少それは無理があるよと思う箇所もありますが、乃木と伊地知の名誉回復にはなっていると思います。また前文を中西輝政が書いていますがこれがよく本書を表していると思いますので興味がある方はまずそれを読むことをお勧めします。乃木は名将かもしれないが、やはり一将功なりて万骨枯るとは彼のためにあるのかも。乃木擁護論としては福田恆存の方が良かったかな。2017/02/24

ネコ虎

16
元軍人による司馬遼太郎の乃木将軍愚将説を徹底的に論駁した書。現場を知る軍人の旅順攻略戦の分析はさすがに訴える力があり、司馬の乃木無能説はほとんど嘘と捏造を基にしているか、偏見に満ちた資料を基にしている素人の論とのことで、小説とはいえ、今なら名誉棄損罪で訴えられるような代物だ。 司馬は乃木将軍を愚将とすることで、日本陸軍の極端な精神主義を否定したいようだが、筆者に言わせれば、乃木は軍人として合理主義精神を持ち合わせ、的確な判断で旅順要塞を攻略したが、いかんせん砲弾不足のため、犠牲が多く出たとのこと。(続く)2016/07/23

hdo obata

11
カリスマ墜つ・・・。小生30歳の頃、それこそ夢中になって読んだ「坂の上の雲」。それから約20年司馬遼太郎の本ばかりを読んでいた。いつの間にか司馬史観なるものに囚われていた。しかしそれは司馬講談でしかなかった。「講釈師見てきたような嘘をつき」。これをあたかも史実のように思い込んでいた。司馬サンはリアリストだと思っていたが、リアリストですらなかった・・・。 2016/07/12

はちこう

10
「司馬遼太郎の誤りを正す」とある通り、「殉死」と「坂の上~」に書かれた乃木希典、そして伊地知幸介に対する評価を正そうとする本。司馬氏は主に「機密日露戦史」を基に二人を描いたらしいが、この本がどうやら「アンチ乃木・伊地知」本で内容的に真価が問われる本らしい。そのことに気づいたのか、司馬氏は晩年「乃木大将を尊敬している」、「乃木大将について書く機会があれば、資料を調べて修正したい」と語っていたとか。それが実現される前に亡くなってしまったのは残念。他にも興味深い内容が満載だった。2022/01/03

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