内容説明
深刻な麦の不作に苦しむアルデシュは、背後に接するニザマに嗾けられ、今まさに一ノ谷に戦端を開こうとしていた。高い塔のマツリカは、アルデシュの穀倉を回復する奇策を見出し、戦争を回避せんとする。しかし、彼女の誤算は、雄弁に言葉を紡ぐ自身の利き腕、左手を狙った敵の罠を見過ごしていたことにあった。
目次
第三部 一ノ谷、ニザマ 文献学講義と糸繰る者達
30 どうらんのきせつはまぢかにせまり
31 まつりかがぐりもわーるのかずかずを
32 ぎしょをめぐるぶんけんがくこうぎ
33 きりんのふざいはすうしゅうかんにおよぶ
34 しゅくさいのちまたをとおくはなれ
35 にざまへむかうしせつだんがそしきされた
36 しゅっこうのあさはみぞれまじりのゆき
37 にざまていはみずからのあしでひのおましに