内容説明
他人の見た光景が、あるきっかけで頭に浮かぶ能力をもつ神野亮司。不倫相手の瞳にも似た力のあることを知った亮司は、ある日、プレスマシンで圧死した男が最後に見た光景を察知する。脳裏に焼きついた不気味な男とカラスの死骸が結びついた時、亮司は瞳の存在に怯え始める……。選考会で激論を巻き起こした、第4回ホラーサスペンス大賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はな
39
2019年1冊目。高田さんはじめまして。第4回ホラーサスペンス大賞受賞作。他人の見た光景や激しい感情を受信し、それが頭に浮んでしまう能力を持つ亮司。同じ匂いのする部下の長谷川瞳と一晩を共にし心惹かれるなか、亮司の周囲で不気味な出来事が起こり始める。ホラー要素はそれほど強くなく、家族がメインテーマのように感じた。なんかほんと男ってどうしようもないなぁと呆れてしまって、もっと違う結末でも良かったのにと思わなくもないけど、後半母親目線で読んでたらほろりとした。瞳みたいな女性って男性には魅力的なんだろうなー。2019/01/05
じゅんぢ
30
本来なら最後、感動するシーンのはずなのに途中、主人公がある女性にやらかしてしまったあやまちのせいで素直に感動できなかった。2021/08/29
大福
13
いろんな感情を味わえる作品。ダンボールに入れられてでっかい人に振り回されたような感覚。ちょっとした出来心から若い部下と関係を持ったがために転落していく妻子持ちの男性の物語。高田さんの作品は主人公が転落していく話が多い気がする。若干の超自然要素もあるが、大部分が地に足のついた展開でもあり、非常にのめり込みやすいストーリー。デビュー作ながら高田さんらしさはしっかりとあって、「うなぎ鬼」の千脇社長が出ていたりするのも興味深い。主人公の母親の気持ちは読んでいてとっても切なかった。2016/12/16
よぶ
12
不思議な話です!人や動物の感情が伝わってきて発作を起こす(||゜Д゜)う~ん想像がつかない…。でもホラーサスペンス大賞受賞作みたいです。読みやすい1冊です!2016/02/22
スーヌ
10
【A-】好きな作家さんのデビュー作?…らしい。特殊な能力を持つ主人公…不思議な空気をまとう不倫相手の瞳…そして不気味で謎の存在「復讐屋」…人も殺されるし、ホラーベースであるのは間違いないが…わりと家族愛にも重きを置かれていて、意外にも後味の良い物語に仕上がってる。まぁデビュー作というので、いろんな要素を詰め込み過ぎた感もある。けど、クライマックスのシーンとか描写の上手さはさすが。やっぱ面白い。2021/06/30