内容説明
普段は小間物の行商をしている文吾は、ちょいと危ない裏の仕事屋が本当の姿。そんなせいか、想う女にも肝心の話を切り出せずにいる。ある日、大店の不良息子、藤次郎と賭場で知り合ったことから事件に巻き込まれていく。人情と非情が絡み合う「殺し屋」他、3編の連作で迫る書下ろし江戸下町時代小説。(講談社文庫)
感想・レビュー
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FK
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シリーズ第3作。シリーズ物をまとめて読むと分かりがいい。第二話での口入れ屋とのトラブルも、ま、ガタガタしながらもまた元に戻ってゆく。むしろ以前より、立場がよくなっているようだ。やはり条件闘争はしないといけないものだ。さて内容的には殺し屋・辻強盗・放火犯という、もっとも罪の大きな犯罪がメインテーマとして出てくる。その中に、また新たな良い人間関係ができていってるのは主人公にとっても読者にとっても喜ばしいことだ。人間というのは根っからの悪人というのは、そうそうはいないということか。2015/06/04
犀門
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#116★★★☆☆これは先月読んだ宝島社刊の「はぐれ文吾人情事件帖」シリーズの第三巻「雨上がりの空」と同じだ。こちらが08年刊で、あちらが14年刊って事は、こちらがオリジナルだな。まぁ、二度読んでも楽しめたから文句なし。2014/08/19