内容説明
よく読むと現代社会を知る上で必要不可欠な知識が多く含まれる早稲田大学の日本史入試問題。現在の日本が抱える問題の原点を、大学入試問題を素材にして読み解いていく――。まったく新しい試みの一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
九曜紋
11
私は社会科は世界史・地理を選択して受験に臨んだので「受験日本史」は詳しくないのだけれども、「そんなことまで知らなきゃいけないの?」が正直な感想。私が「政治経済」で習った当時の時事問題がいまや「日本史」として歴史上の出来事になってしまったことに自らの年齢を感じる。単純に考えて10年前の問題だとしても、受験生は平成生まれなわけだから、ロッキード事件など「昭和を代表する事件」はたしかに歴史上の出来事なわけだ。遠い目、、、とはいえ、日本の電力政策の歴史から現在の原子力発電の是非を問うような問題は良問かもしれない。2016/06/03
入江・ろばーと
0
繰り返しも多く、その分若干読みづらさはあるがこれでもか!ってくらいの情報量がすごい。2016/08/12
フィ
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早稲田大学の各学部の入試問題を題材に、その解答と、近現代史上の、政治、経済、社会、国際関係の論点について詳しく解説されている。その解説部分が、通常の参考書には見られない、行間に大きく踏み込んだものがあり、歴史事象の背景が腑に落ち分かりやすくなっている。ただ、憶測・推測の面が多いのは否めず、社会経験を積んだ身として納得はするものの、物語としてはではなく、学問的に史料等根拠のもと理論展開するとなると…難しくなるか。歴史に分かりやすさを求めること、学問としての確からしさを堅持すること、この両立の難しさを感じた。2016/06/12