角川文庫<br> 城

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角川文庫

  • ISBN:9784042083047

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内容説明

ある冬の夜。Kという男が、どこともはっきりしないある村にたどり着く。Kは村の近くにある「城」から仕事を依頼された測量師だった。ところが「城」からはなんの連絡もない。村人は外来者Kに「城」への道を教えようとしない。「城」は厳然と存在するのに、Kはどうしてもそこへ到ることができない。やがてKは酒場で働く女と同棲することになるが……。20世紀文学に異彩を放つカフカの代表的迷宮世界。カフカと同じく惜しくも41歳の若さで世を去った優れたドイツ文学者、原田義人の名訳でおくる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

22
主人公Kは、とある村に存在する城に測量技師として雇われる。しかし、村に到着した彼を村人たちは厄介なよそ者として扱い、城に近づくことはおろか、城の関係者と会わせようともしない。それでもなんとかして城に入り込もうとするKだが…といった物語。城に行くという大きな目標はあるものの、日々を生きるために小さなことに汲々とするKの姿は、実際の人生を彷彿とさせる。奇妙で不条理だけれど、どこかユーモラスな世界は、現実のデフォルメのように感じた。長い会話と回りくどい文章に最初はイラッとするが段々と癖になってくる、そんな作品。2014/04/18

けんさん

19
『何も言えなくて…夏、言い訳多すぎて…城』 ん〜ん… 一体、何だったんだろう? Kや村人たちの自己正当化のための超〜長い言い訳を読んでいたら、なぜか、J-WALKの『何も言えなくて…夏』が頭の中をぐるぐるめぐり始めた。 結局、城にもたどり着けずモヤモヤ感満載!2022/05/26

kaze

13
土地測量技師Kは「城」からの招聘に応えて麓の村にまでやってくるが、どうしてもそこから「城」へ行けない。どうやらこの世界にはKの理解できないルールがあり、異邦人のKは知らぬうちに数々のタブーを犯しているらしい。これは一体何のメタファーなんだ?と五里霧中のまま読み進め、エンドレス不条理に滅入る。神と現世との関係なのだと聞くと、なるほどと腑に落ちる点もあるが、説明のつかぬ不条理のままでもいいかな。「あるよね、こういうこと」と思う場面も多々あり。 2022/11/09

月世界旅行したい

7
再読。違う訳者の場合でも再読になるのだろうか?2016/05/29

大福

6
主人公が測量技師だということ自体も実は怪しい。彼はただ執拗に城に向かうことを目指す。酒場の女フリーダと愛が芽生えるようだが、唐突過ぎて何か変。急に夜になったり朝だったり時間軸もよくわからない(おそらく4日間くらいの間の出来事)。城に行きたいという欲望だけは軸にあり、主人公はその欲望に踊らされながら辿り着けないという感じがする。この筋を、もしかしたら人生に置き換えて考えるとよいのかとか思う。けどただ異様に饒舌な登場人物の会話を楽しむか、夢のように枝葉末節に流れていく展開を単純に楽しんでもいいのかもしれない。2013/01/26

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