「明治」という国家

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「明治」という国家

  • 著者名:司馬遼太郎
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • NHK出版(2016/03発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140086681

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内容説明

「明治」は、清廉で透きとおった“公”感覚と道徳的緊張=モラルをもっていた。明治国家という人類普遍の遺産を語る。巨匠畢生の日本文明論であり、鮮明な日本人論である。

・本書は、もっとも鮮明な日本人の歴史を書き続けてきた司馬遼太郎が、これまでの蓄積のすべてを傾けて、遠く蜃気楼の彼方に消えて行った“明治という国家”を、客観的に、机の上の物体を見るような気分で、語り尽くすものである。
・暁闇の海に一条の光を求めて、船出していった明治の時代人の人間観と時代の精神の核と髄とが、緻密な論理と温かい筆致で叙述される、これは“歴史という死者の国の旅人”となった巨匠畢生の日本論であり、日本人論である。

<注>電子版には巻頭カラーは収載されていません。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

99
江戸末期から明治時代へ。受け継がれていったものも多ければ失ったものも多かったことでしょう。清廉なリアリズムを持った国家を作り出した父たちとも言える人物の暗躍がなければ、時代は変わらなかったようにも思えます。明治国家の誕生を様々な偉人たちの動きと照らしながら描くことで浮かび上がるその姿。幕末志士たちの行動がなければ明治という国家は生まれなかったのですね。海外の思想ではなく、独自の思想が生み出した時代がどのような状況であったのかも知ることができました。2016/11/24

たつや

51
幕末から明治にかけて、数多くの小説を書かれた司馬さん曰く、「明治国会」の像を読者に伝えるのは自分の義務であり、権利だとおっしゃる司馬さんはおもろい関西のおっちゃんやなと思う。既存の作品にリンクする内容や、斬新なものも含めて、一読では頭に入りませんが再読したり、この本を元に授業を受ければ、大分勉強になると思いました。2016/11/19

じゅん兄

23
さまざまな人物の視点から、明治維新を舞台にした傑作を書き上げた司馬遼太郎、その「司馬史観」の集大成といっていい本。表題がいい、「明治時代」でもなく「明治政府」でもない、「明治」という一つの国家の成り立ちをあらゆる視点から司馬さんらしい温かくも鋭い切り口で語っていく。「竜馬が行く」「坂の上の雲」「翔ぶが如く」もう一度読みたくなった。また新しい感動が待っている気がする。2012/10/20

鉄人28号

14
☆☆☆☆☆ 再読。初読は昭和62年頃。司馬遼太郎は、「こんにちにいたるまでの日本の制度の基礎は、明治元年から明治十年までにできあがった」と言っている。黒船来航以来の国難の中にあって当時の人々はよくやったと思う。幕末にあっては、倒幕派も佐幕派もそれぞれの立場で日本の将来のことを考えて動いた。幕府が倒れた後の明治新政府もまたそうであった。明治国家を作り上げた人々に共通していたことは、私心が無く、清貧で誠実で純粋に日本の将来のことを思っていたことであった。外債もすべて返済したということも誇れることである。2018/02/08

クラムボン

8
読むのは3度目です。NHKのトーク番組から生まれたので、全てが語り口調でとても読みやすい。1989年「太郎の国の物語」という番組、モノローグで司馬さんが語っていた微かな記憶があります。60歳代半ばの'87年に「韃靼疾風録」を書き上げて以降は小説を書いていませんが、ノモンハン事件などの小説の構想はあったので、近現代史と向き合っていた時期かと思います。「明治という国家」は、名誉と清廉で自分を律する武士、経済力と倫理を兼ね備えた商人や豪農、仕事の質にこだわる職人などの江戸時代の遺産があったからだと語っています。2020/11/11

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