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内容説明
『大学』では、国家の指導者を目指す者たちは、単に学問を身につけるだけでなく、自己をよく修養し、徳を身につける必要があることを説く。
『中庸』では、人間の本性とは何かを論じ、いわゆる「中庸の徳」(いかなる場合でも、感情が動く前の偏りのない静かな状態である「中」を守ることのできる徳のこと)を説く。
本書では、初心者でも抵抗なく読めるよう、読み下し文は総ルビとし、一語一語の解釈を学ぶのではなく、現代語訳で全体の意味を理解できるようにした。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
29
儒教概論。『大学』の政治学は前提に個人の道徳を説き、中庸の道徳学は政治を説く(12頁)。『大学』は、本文わずか1750字。学問の目的と方法を述べ、冒頭205字に要点凝縮(30頁)。成人の学問としての大学(32頁)。朱子の格物致知。「物に格(いた)りて知を致す」=「あらゆる物事についてその内にそなわる道理を窮め尽くし(窮理)、知を推し進める」という解釈(69頁)。ミル『自由論』を中国に紹介した厳復は『群己権界論』(1903年)の中で、自分も他人も自由。自由が無制限なら、互いに衝突。だから自分の自由は 2019/01/02
singoito2
11
「大学」「中庸」とも「礼記」49編の一部だと・・・ふむふむ・・・Wikiで見ると49編、どれも古代中国の資料として見ると面白そう。ガダマーを通して古代ギリシャ、とくにプラトンについて学んだ後だと、古代文明同士のある種の共通性が見えて面白い。両者とも、問答や対話によって思索を深めていくんだよね、それは旧約聖書の律法と預言の世界にはない点で、だからこそ新約が求められたんだね。2023/06/18
bebe3269
11
倫理の授業で触れられたから読む。大学、学ぶ姿勢というものを感じられた実践していきたい。中庸、今まではバランスをとって生きていくことが素晴らしいことだとしか説かれていないと思っていたが誠という日本にも深い関わりがある考え方が出てきてとても参考になった。博くこれを学び、審らかにこれを問い、謹んでこれを思い、明らかにこれを弁じ、篤く之を行う。2022/09/22
よむヨム@book
7
★★★★★ 星5つ 読みながら、「学び」ながら「実践」して「反省」し、地道に進んでいくしかないと思いました。2023/10/27
大先生
7
四書シリーズ。論語、孟子に比べると抽象的というか難しい。繰り返しよむことで、少しずつ理解を深めるしかないですね。「大学」は政治学、「中庸」は道徳学とはいえ、重なる部分もあります。とりあえず、論語、孟子、大学、中庸という四書は読んだので、これで君子に一歩近づいたと自負しております(笑)。次は聖人か!2020/04/18