内容説明
父と娘の熱くて愛おしい日々を綴るエッセイ。
《彼女たちはどこにでもいる小学生の集まりでしかないのだ。それでも私たちにとっては、メッシやクリスチアーノ・ロナウド以上に関心を寄せる、唯一無二の選手たちだった。》(本文より)
娘が入団した地域の少女サッカーチームの、〈ボランティアコーチ〉になってしまった父。サッカーは見るのもやるのも好きだけれど、人に〈教える〉ことは大の苦手という彼が、やがて子どもたちのプレイに夢中になり、仕事以外の時間のほとんどをチームに捧げるようになる。運動が苦手だったはずの娘は、悔しさやチームメイトとの友情を糧に、「どんなときでも絶対あきらめないディフェンダー」としてレギュラーを勝ち取るまでに成長していく。
ごくごく平凡だけれど、時に泣きたくなるほど愛おしい、サッカーをめぐる父と娘の日常を描いた名エッセイの文庫版を電子化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウィック&ぺディ
26
★★★半☆2019/12/11
ツバメマン★こち亀読破中
20
小学生の娘のサッカーチームのコーチになってしまった父。他の父兄に気を使ったり、試合に出場出来ない娘にヤキモキしたり…自分の子供だとムキになってしまう気持はわかりますよ!悩みながらも娘とともに成長していき、やがて卒業を迎える…。本の雑誌社の杉江さんが書いたから?昔読んだ「岳物語」を思い出しました。読了直後、自分の娘に意味もなくLINEしてしまいました(笑)平成最後の1冊がこの最高のスポーツノンフィクションで良かったッス!オススメ!2019/04/30
ウィズ
13
この本を読むとなでしこジャパンの下部を支えているのは、無給で働くボランティアの方達だとわかります。Jリーグの幹部の方達にもこの本を手にしてほしいと切に願います。2016/02/12
緋莢
12
本の雑誌社の〝炎の営業”でお馴染みの著者。サッカー好き、熱狂的浦和レッズファンというのは知っていましたが、こんな本を出していたとは、坪内祐三『文庫本宝船』を読むまで知りませんでした。内容は、小学生の娘が入団した地域の少女サッカーチームのコーチを依頼されて、その活動を通しての話が中心、また息子や、自身の学生時代の話なども出てきます。「レギュラーになれないんならサッカーやってる意味ねえんだよ!」著者はある日、そう怒鳴って、娘を連れて帰る父親の姿を目撃します(続く 2019/12/16
ああああ
11
なんとすてきな家族とサッカーの物語(ノンフィクション)。はからずもお父さんコーチになってしまった著者。かつて子どもだった自分と、子どもの親である自分、そして子どもの物語が交差する。その「父がレッズファン」というだけの実に普通の家族のはなしに、電車内でうっかり落涙しそうになってしまった。すべての人にスポーツとの幸せな出会いがありますように。2016/03/03