内容説明
育児も家事も、小説執筆も社長業も忙しくて心がなくなりそうだった時。陶器のカップの美味しいコーヒーを車の中に持ち込み飲んでみたら、新しい風が吹いてきた――。人生は思い通りにならないけれど、一つ普段と違うことをしてみると、異なる景色が見えてくる。自分なりの人生をカスタマイズすることの歓びが見つかり、しなやかで丈夫な心が育つ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
との
29
初ばななさん。これまで読まず嫌いで読んだことはなかったんだけど、彼女の文章の引用を見かけて。そういえばこの人のこと本当に何も知らなかったなー。何も知らずに嫌っていたんだな。◇ところどころ飛ばし読みしてしまったけれど。「そんなに力を入れなくてもいいんじゃない?少し力を抜きましょう。だけど、大切なことは忘れてはいけないよね」と言われているような気がしました。2017/04/16
織町
16
“あの夜、もう自分たちなんてどうでもいいから、君にいい名前をつけたいと思った。いい子でも悪い子でもなんでもいいから、生きて無事に育ってほしいと思った。もしも名前がそれに力を貸すなら、少しでも幸せで、大変なことをなるべく波に乗るようクリアして、まっすぐな人生になってほしい、ただそれだけを思った。”震災の話、家族の話、色々な話がつまってます。名付けは私も同じような気持ちだった。彼につける名が、少しでも彼の人生のお守りになるよう、力になってくれるよう、字画と意味を考えながら沢山沢山考えたなぁ。染み入るエッセイ。2018/05/02
湖都
15
2巻目は人についてのエッセイが多い気がする。著者本人が語るように、下町で育ったせいか人間関係が濃厚である。幼い頃からくっつきあってきた友達がいて、別れた後も人生に登場するボーイフレンドがいて、世界各地に友達がいて、旅行するにも家族だけでなく友人や秘書が一緒で、そのそれぞれに語りきれないエピソードがあるんだろうなぁと思わせる。勿論、永遠の別れも沢山経験していて、だからこそ一緒にいる時間の尊さを知っている文章が身に沁みる。それから、東日本大震災の記述も多い。地球の自浄力は強いと著者は言うが、実際どうだろう。2022/04/12
図書館の丼
5
自分とちょっとずつずれていくのを確認し続ける作業だった。あんなに共感して、「この人は私の気持ちを代弁してくれている」とまで思ったことがあったのに、すっかり道は分かたれてしまったようだ。そりゃそうだ、人間は生きているのだものね。それでも面白かったんだよ。2021/05/13
りさゆ
5
久しぶりのばななさんのエッセイ。共感できる部分とできない部分どちらもあるけど、全部ひっくるめてばななさんの文章が大好きです。読んでいるとホッとします。2016/04/15