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内容説明
知られざる「黒部の山賊」その人が語る失われゆく山の民の生活賦。
「黒部の山賊」のひとりが語り尽くす、山のこと、自分のこと、暮らしのこと。
2014年のベストセラー『定本 黒部の山賊』(伊藤正一・著 山と溪谷社)の人気登場人物・鬼窪善一郎氏が語る、幻の書。新編として、山と溪谷社より刊行。
ボッカ、ガイド、遭難救助、イワナ釣り、猟師、カモシカ猟、炭焼き・・・
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
85
とてもおもしろかった。北アルプスいったいで山岳ガイドやボッカという仕事のほか狩猟や渓流釣りの話に、著者が遭遇した奇妙な話が満載。あえて聞き書きだれているのは、そのリアリティーを高めるためだろう。方言や、地名、狩猟の道具などの専門用語のため読みづらいこともあったが トータル的に面白さは抜群。山の怖さや、自然の不思議さも書かれており、山に興味る方はおすすめします。昔は囲炉裏端でこんな話がきけたのだろうね・図書館本2023/11/14
マエダ
61
色々なことに達観しているのが山人と思ったが、意外と承認欲求など人間的な部分もあり面白い。というよりも剥き出しの人間味が魅力である。2018/12/02
まさ
34
黒部の山奥を自由自在に闊歩する人らしい語り口。同じように三俣や鷲羽を歩いてみても自分は登山道を歩き山小屋に泊まるのみ。そこに生きる人は見えるものも思うことも違うのだ。それでも、読み進めるのに合わせて、山奥に誘われる気持ちが沸々と湧いてくる。あー早く山を歩きたい。2021/02/09
やっちゃん
19
北アルプス黎明期ならではの魅力的な話ばかりで面白すぎる。これぞ伝説のマタギ。歩荷、小屋番、遭難救助、テンカラ、狩猟、炭焼きなどまさに山のスペシャリスト。生きてたら本気で弟子入りしたい。登る以外にも山にはこんなに魅力があると改めて教えてくれた。2022/07/17
roatsu
14
老練な山人「鬼サ」の愉快な昔語り。貧しい時代の信濃の村に生まれ、逞しくひたむきに生きて人生を豊かで面白いものにした一日本人の回顧録として発見と面白さに満ちている。レジャーの対象ではなく山の資源で生活の糧を得る場だった昔の北アルプスの様子とそこでの暮らしや知恵をよく伝える。冒頭の生活保護なんてものがある現代の人には昔の貧しさなんか絶対にわかりっこない、は印象深い。昔の大多数の日本人は厳しい生活に対して不平不満の前にまずは頑張らなければ生きられず、それが結局は日本の発展に繋がって今があるのだと思える。2016/01/23