講談社現代新書<br> ラーメンと愛国

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講談社現代新書
ラーメンと愛国

  • 著者名:速水健朗【著】
  • 価格 ¥781(本体¥710)
  • 講談社(2016/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062800419

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内容説明

なぜ「ラーメン職人」は作務衣を着るのか? いまや「国民食」となったラーメン。その始まりは戦後の食糧不足と米国の小麦戦略にあった。“工業製品”として普及したチキンラーメン、日本人のノスタルジーをくすぐるチャルメラ、「ご当地ラーメン」に隠されたウソなど、ラーメンの「進化」を戦後日本の変動と重ね合わせたスリリングな物語。

目次

まえがき
第一章 ラーメンとアメリカの小麦戦略
第二章 T型フォードとチキンラーメン
第三章 ラーメンと日本人のノスタルジー
第四章 国土開発とご当地ラーメン
第五章 ラーメンとナショナリズム
あとがきにかえて
ラーメン史年表
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

105
一気に読んだ。ラーメンを基軸に戦後アメリカの小麦戦略から、3.11以降に至る現代史を語るその手法は巧みだ。安藤百福から『渡鬼』、連合赤軍事件からジロリアンまでを単に俎上に載せるだけではなく、意味づけていく縦横無尽さとスピード感もまた見事。思想史としての結論にも納得する。2012/01/14

メタボン

26
☆☆☆★ 国民食となったラーメンの軌跡をたどりながら、戦後経済史、マスコミの広告戦術、田中角栄の日本列島改造論、ファミリードラマの背景、そして昨今のナショナリズムに言及するなど、なかなか多彩な論述だった。今やコンビニに行けばカップ麺の山。完全にラーメンは我々の食生活に浸透、いや侵食している。「作務衣系」ラーメンには、うなずいた。確かに作務衣を着た大将が腕組みしてドヤ顔で映っている写真を良く見かける。2016/02/03

黒猫

23
ラーメンを戦前、戦後の食糧難、その後高度経済成長期、マスメディアの普及、インターネット情報化社会の進展から捉えている。前半は日本の社会論という感じで、ちょっとラーメンからは規模が大きな話になりすぎている気もするが、戦後のチキンラーメンの普及について書かれているから致し方ないのかな。面白いのは1990年以降のラーメンの過熱ぶりについて書かれた章だ。環七のラーメン戦争なんかもう懐かしさすら覚える。ラーメン二郎について、あれは修行だと書いてある所に笑った。ラーメン二郎、久々に行こうかな。ラーメン食べたくなる。2018/04/30

Gatsby

23
私はラーメンが嫌いではないけれど、どうもラーメンについていろいろと批評する人がいるのには少し違和感を覚える。私の中ではたかがラーメン。自分で好きな味ならええやん、というスタンスである。別に他人さまに向かって自分の感想を述べなくても、と思ってしまう。しかし、この本はもちろんそういう批評ではなく、ラーメンを通じて日本の社会を考える本で、奥が深い。ラーメンまでアメリカの小麦戦略だったとは気付かなかった。ラーメンとナショナリズムの関係も興味深く読めた。2012/02/05

hakootoko

21
ラーメン二郎という現象では食の周辺情報がデータベース消費されている。現在、食そのものもデータベース消費化している。食材から背景や経路は消され、食材は物語から切り離されたデータとなった。食のデータベース消費が行き着いた先が漫画「ダンジョン飯」と言える。モンスター(さまざまな物語の切れ端(=データベースのデータ))を食材とした料理が描かれている。しかし、食材の背景や経路を詳細に描いている漫画でもある。そこでは、現実では失われたもの(食の大きな物語)への欲望が働いている。現代史とグルメ漫画の変遷とか読みたい。 2017/07/29

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