明治日本印象記 オーストリア人の見た百年前の日本

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明治日本印象記 オーストリア人の見た百年前の日本

  • ISBN:9784061595248

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内容説明

優美な自然、興趣をそそる諸芸能、無類に清潔で礼儀正しい日本人……。明治中期に訪日し、異文化にとまどいつつも、北海道から長崎まで精力的に旅を続けた著者の印象の一端である。大都市は勿論、地方の文化にも触れ、市井の民とも親しく接して、日本に魅了された彼は生涯に7度日本を訪れることになる。美術史家である著者の鋭い感性が捉えた19世紀末の日本。挿画約100点収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

104
19世紀のオーストリアの美術研究者による日本文化に関する様々な評論を集めたものです。日本を縦横にくまなく旅行して自分の印象に残った美術品や風景などがかなりきめ細かく描かれています。写真も豊富に挿入されています。日本人がみるよりもある面かなり違った観点から見ていて参考になるところもあります。2015/10/25

Miyoshi Hirotaka

28
オーストリア・ハンガリー帝国の美術研究家が書き表した日清戦争直後の日本旅行記。イザベラ・バード(英)が未開路の踏破という上から目線であるのに対し、文化や風俗の克明な描写と公平な評価が印象的。私達にもエキゾチックでトリビアの宝庫。例えば、奈良の鹿せんべいは既にあり、風呂の温度は46度で混浴、北海道にはアイヌ部落が存在したなど。学校に宗教教育がないのに道徳が浸透していることは、西洋の常識からは信じ難いこと。同じことが、新渡戸稲造の「武士道」の前文に執筆動機として書かれており、道徳形成という点からも興味深い。2014/09/02

壱萬弐仟縁

20
1897年初出(4頁)。 写真や線画が散見される。 天竜下りは、在日外国人(長期滞在の欧州人)によってさかんに行われている(11頁)。 日本人は夜中じゅう喫煙したり、茶を飲んだりしている(15頁)。 日本人は繊維状のヤナギの声だを歯ブラシ代わりにし、みがき粉は塩を少々(18頁)。 下諏訪の夜の温泉情緒を満喫したという著者(26頁)。 飯田の時又にも出かけている(34頁)。 養蚕は西暦3Cといって驚いてもいる(35頁)。 2014/03/30

ホークス

4
オーストリアの美術研究家による、明治中期の日本滞在記である。実に多くの日本人と、時には相当立ち入った話をしている。滞日中の欧米人とは、激しい議論もしている。日清戦争前後の日本の姿が、内外の様々な言説を交えて、生き生きと描写されている。著者は、可能な限り公正に、人間的に、主体的に洞察しようと努力する。しかし、現在とは比べ物にならない、貧困、差別、偏見、暴力が、著者の気持を揺さぶり、時に冷静さを奪う。そうした試練や自分の人間的な弱さも受け入れ、乗り越えようとする著者の姿勢に感銘を受けた。2014/06/29

i-miya

4
★アドルフ・フィッシャー『明治日本印象記』 P212 女義太夫語り  P288 金華山・松島 夢 弁財天 P292 P305 松島・金華山 夢を見る ドストの突然開ける明るい世界 似たような夢 感動の気持ちで読み進む P306 うんざりの精進料理 サル・シカ2000等の政府保護地区 神道 P309 北海道・先住民アイヌ P316 英人バチェラー活躍で 500人のキリスト教徒  2004/11/06

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