山と溪谷社<br> 「身体」を忘れた日本人 - JAPANESE, AND THE LOSS OF PHYSICAL SENSES

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山と溪谷社
「身体」を忘れた日本人 - JAPANESE, AND THE LOSS OF PHYSICAL SENSES

  • 著者名:養老孟司/C.W.ニコル
  • 価格 ¥1,144(本体¥1,040)
  • 山と溪谷社(2015/10発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635640022

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内容説明

解剖学者・養老孟司氏と作家・冒険家のC・Wニコル氏が、都市生活によって衰えた日本人の身体をテーマに、子どもたちのこと、食べるということ、極地での気づきなどさまざまな問題に切り込んだ対談集。

 アレルギーになる子ども、災害時に火をおこすことが出来ない大人たち。便利になりすぎた都市生活によって、あまりに身体を使わない世の中になっていないだろうか。そして自然と触れる機会もなくなった現代人は、嗅覚、免疫といった身体機能も衰えている―。そんな問題意識から、話は広がっていきます。

【1章 森と川と海のこと】
荒れた森を再生する/日本の杉は苦しがっている/馬に木を運ばせる/木の力、森の力/森と川、そして海のつながり/川は「流域」で考えよう

【2章 食べること、住まうこと】
田舎の力/都会の罠/虫は貴重なタンパク源だった/何でも食べられるのは「貴族」/木を生かす適材適所/原発事故のあとに残された難問/人間関係を保険で補償する時代/経済成長とはエネルギーを使うこと

【3章 子どもたちと教育のこと】
「ほったらかし」が一番/二人の子ども時代/母親の世界から飛び出せ/ゲームより実体験/自然が足りないと世界は半分になる/新しいエリートをつくる/体験を通すと生きた知識が身に付く/森で授業を/小さいときに触れるべきもの

【4章 虫のこと、動物のこと】
生き物の分類は分ける人によって変わる/ゾウムシは中央構造線を知っている?/オスは時々いればいい/ハチに刺されて死ぬのはなぜか/クモに名前をつける/いなくなった赤とんぼ/生き物は複雑なシステム/キリンの首はなぜ長い/熊との付き合い方

【5章 五感と意識のこと】
ハエも用心するクサヤのにおい/顔色をうかがうための進化/意識はコントロールできない/人が失った絶対音感/山の声が聞こえる/銃を撃つ前に逃げるカモ/夢と意識/時間と空間/「意識の時代」と「身体の時代」

【6章 聞くこと、話すこと】
英語を強制されたトラウマ/気持ちと結びつく日本語/訓読みは難しい/主語の有無は文化の違い/自我の目覚めが遅い日本人/日本語と感覚/片言の中国語/「暗いところ」がなくなった/言葉がなくなると存在もなくなる

【7章 これからの日本のこと】
子供も、大人も外で遊べ/若者に責任を持たせよ/日本人に覚悟はあるか/言い訳の多い日本人/もう一つ先を考える/人間は「状況の産物」である/日本人よ、自分を取り戻せ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

110
限界集落をかわいそうと言うが、年寄りが暮らせるほどにいい所。都会は変化がないから。明るさも一定、泥臭さがなくて、賢いな人ばかりになり不自然。表情も乏しい。人間の顔は鼻と口が平らでしょう。嗅覚が退化して顔色を窺うようになり、社会生活をし始めて色を感じる細胞が3つに増えた。視覚に頼りすぎ、答えを求めすぎている。もっと感覚を研ぎ澄まし、自然や身体を感じ、自分を取り戻してほしい。周りに合わせすぎて自分を見失う。悲しいと思いませんか。世間から少し距離を置いて、常識と違う判断をしてみる。そんな生き方をしてみませんか。2019/11/13

ほう

24
黒姫高原にアファンの森を創設されて、自然環境の大事さを発信し続けたC・Wニコルさんと、解剖学者でありながら昆虫研究も深く関わっている養老孟司さんの対談集である。我々が忘れているか、または捨て置いている事柄がお二人の言葉で呼び起こされる。ボタン一つで暮らしを成り立たせている私たちの暮らしは、まことに脆いとしか言いようがない。2023/01/03

Sakie

18
2020年に亡くなったC.W.ニコル氏と養老先生の対談、2014年。ニコル氏はアファンの森をつくったり馬を使役したり学校創設に関わったりと活動の幅広く、養老先生も保育園の理事長を引き受けたりされているので、日本の未来を想って、日本の自然や子供のために尽力している共通点がある。"We have to be gardeners"。感覚は違いを発見するもの。意識は同じを見つけるもの。どちらに傾きすぎても生きづらいけれど、感覚の世界の奥深さを忘れては人は生きられないのだよという大切なメッセージ。広い土地欲しい。2022/09/03

ふじ

17
過激派ニコル氏と自然大好き、理系養老先生の対談。様々のメンタルの不調を『自然欠乏症』としていて斬新。他にも英語は客観的、日本語はどうしても主観的な文章になりがち、とか、若者のために老人はさっさと滅びろ(笑)とか。学校の役目の変遷(今は知識教育は自宅でも可能、それ位意外が求められる)とか。対談から見える視点が刺激的。でもニコル氏は現代(特に技術進歩)に否定的すぎで好みでなかった。ITは悪で自然は善なんて簡単な話はないと思う。2017/03/18

Kikuyo

15
自然が足りないと世界が半分になる。人間世界だけで生活してるとせますぎる。 自然不足と言われて久しいが、その傾向は加速して、さまざまなおかしな人間を生産してるようにも思う。2022/11/11

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