角川文庫<br> バベル消滅

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角川文庫
バベル消滅

  • 著者名:飛鳥部勝則【著者】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • KADOKAWA(2015/10発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043586011

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内容説明

島の版画館で警備員として働く風見国彦は、毎日決まった時間に訪れるセーラー服の美少女に気づく。閉館までアントニスゾーンの版画『バベルの塔の崩壊』の前に立ちつくしている少女に、風見は興味を抱く。同じ頃、島では連続殺人事件が発生。殺人現場には必ず『バベルの塔』の絵が残されていた。事件の犯人は誰か、バベルに秘められたメッセージは何か、そして美少女との関係は? 自作の絵画と小説を融合させるという新しい試みで注目を集める作家の、ミステリ・マインド溢れる一作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

241
安定の世界観だが、あくまで個人的な好みでいえば他作品より一段落ちてしまう。ミステリとして"読者に対しての仕掛けはあるが作中人物からすると特に不可解は無い"タイプのものである。事件自体が地味なのだ。終盤に人物の会話で「ココでこういうヒントを出してましたよ」と、おさらいの羅列があるが、地味ゆえに言葉を重ねるほどキツイと感じる部分もある。物語内に登場する教職者たちの職業意識の荒み方は実体験が反映されているのだろうか。よくぞここまでぶちまけたなと読んでてヒヤヒヤする。ダイイングメッセージの扱い方は流石の品質。2016/11/05

nobby

85
連続殺人現場に残される「バベル」の意味と1人の孤独な大人びた少女の存在を中心に展開する。聖書に疎い自分にとって中盤まではバベルの塔についての解説多く少々苦戦…それでも後半述べられる推理に違和感持ちながらも耳傾けてしまう。そしてやっぱりただでは終わらぬ最終章!明かされる事実に苦笑いしてしまうが、きちんと説明されてしまうと納得するしかない(笑)志乃の描写が不思議そのままだったり美少女感少なくあまり魅力感じられないのが残念…2016/07/10

ミーホ

32
まんまと騙されて、伏線回収のためダイジェスト再読してたら普通に読み始めちゃった・・・なんだろこのクセになる感じ。要となる陶芸教室にまだ辿り着かない段階なのに、結末を知って読んでみると「あぁ」となる箇所がポロポロと出てくる。飛鳥部作品だ、というのが伏線を隠すフィルターとなってるのでは!?とひねくれた考えをしてしまう。魅力的な登場人物いないし、作中では美術教師が描いたとされる著者の画もジモンちゃんにしか見えないけど、モチーフとなるバベルの塔に絡めた罠がお見事。大津版画館展示の《バベルの塔の崩壊》が好き。2017/02/12

Ayah Book

23
ジャンルは本格ミステリかなぁ?美術蘊蓄など楽しく読めました。相変わらず美少女へのこだわりがすごく、ファムファタール的な美少女キャラの魅力は十分すぎるほど伝わってきた。しかし、読み手の私が年を取ったからか、彼女を取り巻く男キャラがちょっと気持ち悪かったですね。ロリコン。。。暴力教師とか、かなり引いてしまった。ミステリ部分はバカミスっぽかった。でも嫌いではないです。2023/01/10

安田

23
新潟の離島。版画館の警備員、風見は、毎日決まった時間に絵画『バベルの塔の崩壊』を観に来る少女に興味を抱く。一方、中学校では美術教師が何者かに殺害される事件が発生。第一発見者である教師、田村は翌日、今度は用務員の死体を、彼の自宅で発見する。ふたつの現場には、どちらにも「バベルの塔」を描いた絵が残されていた…。美少女要素(?)が増量した第2長編。メイントリックはかなり人を食ったものだが、伏線がいちいちしっかり張られており、解決編のぬけぬけとした説明がなんとも味わい深い。ダイイングメッセージの真相には脱帽。2017/10/15

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