内容説明
ぼくは、いわばやとわれ調査員だ。相手の視線をとらえると、何でも喋らせてしまう特技を買われて、この仕事を引き受けた。今も、酒好きの退役アメリカ陸軍大佐からアメリカについての情報を聞き出している。話の途中、ふと何かの気配を感じて外をのぞくと、人通りの絶えた暗がりに乗用車がとまっている。どうもつけられていたらしい。今まで取材と称して、有力上院議員や「黒い回教徒」のメンバーに会って、必要以上に喋らせたのがまずかったようだ。ついにぼくは、世界中の諜報機関から追われる身となった――。だが、取材データをこんなにも欲しがる理由は何なのだろうか……? あっと驚くどんでんがえしが待ち受ける表題作の他、「フラフラ国始末記」「時間エージェント」八話を収録。解説:モンキー・パンチ。小松左京ライブラリによる書き下ろし補足解説つき。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんこい
10
今となってはSF的趣向のストーリーよりも、作者がちりばめて東西冷戦下の世界情勢や歴史の変転の記述や、70年代まだ存在感が小さかった中国が今後どうなるかといった未来への予見を読むのが面白い。時間エージェントが入っていると気づかず、別に買ってしまった。。2014/05/05
なにがし
2
電子版にて。往年のヒーローSF。硬派な雰囲気の表題作と、007パロディチックなタイムパトロールエージェントもの。ギャグの使い方や言い回し等々、古典の味わいを楽しむにもよし。2017/03/01
洪七公
1
既読本1983/10/13
1977年から
1
1978年
けいちゃっぷ
0
ダジャレで落とすのも上手(立風書房版がないので、こちらで登録)。