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内容説明
日本酒はワインではありません。日本酒なのです。なにを言っているかって。それは醸造法がわかれば納得。仕込みのときに自然の乳酸菌の増殖を待つ、昔ながらの「生もと」の酒は格別だという。日本酒のことがわかると、今宵の酒も一味ちがってくるにちがいない。(ブルーバックス・2015年9月刊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
20
日本酒ほどいろいろな料理に合う酒はない。鍋、ウナギ、焼き鳥、刺身に天ぷら…、中華、洋食、チーズ、そして塩をつまみに。日本酒の歴史は古く、収穫祭にあたる宮中祭祀の新嘗祭では、酒造りの儀式も執り行われるほど伝統を受け継いだ、まさに日本人のための酒なのだ。「甘口」「辛口」の基準とは?「冷や」とは「冷やした酒」のこと?燗酒に合う酒は甘口か辛口か?樽酒が脂っこい料理に適しているのはなぜ?など、日本酒をとことん知り尽くすための一冊。2015/10/28
ネムル
15
酒が生まれる工程から歴史ネタ、あるいは坂口謹一郎記念館こと酒杜り館など、浅くも話題を広くとっている(もちろん科学も)。酒を好きな人間ならなにかしら発見を得られるのではないか。とても楽しい一冊だった。ところで大神神社の杉玉は個人でも買えるのだろか?2020/12/04
エリナ松岡
14
軽い気持ちで手に取ったら、なんだかすごい気合いの入りようで少々驚いてしまいました(みなさんのコメントを見る限り、これがブルーバックス標準のようですが)。面倒だから読むのやめようかなぁとも思ったんですが、日本酒の手の込んだ作りの面白さに加え、筆者の丁寧で手を抜かない真摯な文章に好感がもてたのでなんとか最後まで読み切ることができました。がんばった甲斐あって、今は日本酒博士への道の第一歩を踏み出せた気分です。2018/03/30
pollack
13
年々国内消費量が落ちる一方で、海外では注目度が上がり、"SAKE"が英語となっている日本酒について解説されています。半分強が製造に関する解説で、割と細かい内容にも触れているのですが、すっと頭に入る文章で、非常に分かりやすかったです。柔らかな口調に加え、厳選された専門用語で綴られたバランスのとれた文章は非常に上手い。日本酒が出来るまで、微生物たちの相互作用がいかに奇跡的で上手く出来ているのかを思い知らされました。これを機会に、同様な微生物達の賜物である味噌や醤油にも思いを馳せてみるのも良いかも知れません。2016/08/16
tolucky1962
12
この季節、晩酌がビールから熱燗にかわります。ブルーバックスから出版されているこの本は、酒造りの伝統の技と最先端技術の双方が科学的に書かれています。酒に適した米の条件と種々の米の特徴、特に播州で開発された山田錦について詳しく示されています。そのほか原材料として、水、麹や酵母についてその種類ごとの特徴とそれからできる酒の味わいについて紹介されています。瓶に貼られたラベルの読み方や日本酒の種類もわかりやすく書かれています。また、7章のおいしい飲み方では冷~燗の違いや日本酒の種類ごとにあう料理を紹介されています。2015/11/22