中公新書ラクレ<br> ほんとうの日蓮

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中公新書ラクレ
ほんとうの日蓮

  • 著者名:島田裕巳【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 中央公論新社(2015/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121505248

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内容説明

日蓮は単行本およそ六冊分にも及ぶ論考、手紙を残している。中世において彼ほど顔の見える人物はいない。なぜ流罪になったのかと自問する日蓮。愛児を失った母親へ情愛のこもった手紙をしたためる日蓮。戦う宗教者のイメージばかりが先行する日蓮の、本当の姿を活写する。島田宗教学の決定版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

funuu

11
そもそも、法華経にこそ釈迦の真実の教えがしめされているとする、日蓮が最澄から受け継いだ天台の教えそのものが、現代の仏教学の知見からは認められない。法華経は、釈迦が直接説いたものではない。そもそも法華経の成立年代は、いまだに確定されてはいないものの、釈迦が入滅してから数百年後であることは間違いない。その点からすれば、日蓮が生涯にわたって信じ続けたことは、まったくの誤りであったことになる。だが、日蓮が信じたことは、当時の日本人、当時の仏教徒が共通に信じたことであり、その時代には真実と見なられていた我日本の柱と2016/09/13

kenitirokikuti

7
図書館にて。13世紀鎌倉時代の僧日蓮(1222―1282)には、この時代の人間にしては珍しく大量の書き物が残されている。まぁ、世間に認知されているのは『立正安国論』だけだろうけれど、日蓮は大小様々な寄進に対してまめに礼状を返したそうで、それが各地にたくさん残され保存されていたからだそうである▲本書は『福神』掲載の島田氏の日蓮論がベースである。日蓮宗の僧侶の集まりである「福神研究所」で『平成新修日蓮聖人遺文集』を通しで読んだそうな。日蓮遺文の選集は文庫にあるけど、全集は近場の県立図書館にもないみたいだ2022/02/02

moonanddai

5
「ほんとうの」とは、多くの遺文のうち真蹟、あるいは「曽存」と呼ばれる焼失してしまったもので、日蓮という人物を考える、ということらしい…。それでも我が浄土宗Wほかあらゆる宗派を攻撃する戦闘的宗教家というイメージは変わりません…。日蓮が佐渡に流されていたころ「二乗作仏」「久遠実成」「一念三千」といった思想のポイントを突き詰めていったようですが、某在家宗教団体が「仏教の本質」としている「一念三千」というもの、日蓮自身、佐渡から戻った後はさほどこだわっていた形跡はないのではとのこと。それが「ほんとうの」の意味…?2022/07/21

蕃茄(バンカ)

2
内容がない。日蓮の遺文(なんでも日蓮宗の内部外部を問わず単に「遺文」って言ったら日蓮の書き残した書物の事を誰もが思い浮かべるのが一般的なんだって。本当ですかそれ?)を読んでいくとほんとうの日蓮がわかるという趣向らしいがさっぱり本当の日蓮がわからない。終わりも「本当の日蓮に会ってみたい」である。小学生か。定期的に「私と日蓮研究者」みたいな関係ないエピソードが挟まってくるのも鬱陶しい。2015/06/10

workitout

1
著者は、平成新定の真筆確定のみ全遺文を執筆順に100回以上かけて完読する研究会にほとんど参加し、従来の既成教団の定見とは全く異った人物像を得た。東条景信の恨みを買ったのは土地訴訟に関わる弁論活動の故であるし、立正安国論は面会し北條時頼に手渡したし、蒙古からの国書をいち早く見ることができたのも鎌倉幕府中枢との関りを示唆する。佐後に表れる「一念三千」は曼佗羅を意味するが戒壇の本尊かは不明/日蓮系教団は「お祖師さま」に習って、強烈な個性とバイタリテイーを持つ指導者が出ることが多い。石原莞爾のように反主流が常だが2017/04/13

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