内容説明
雪のように白い肌と鋭い目、びっしり生やした髭面――それが総美学園中等部三年A組の担任として赴任してきた北薗雪夫先生だった。だがその先生には、五人の中学生を次々と殺した驚愕の過去があった。幼い頃、色の白さから女の子のようだとからかわれて対人恐怖症に陥った雪夫は、子供しか相手にできない。だから先生になったのに、生徒たちからもバカにされ、歪んだ愛と沸謄する怒りは異常な形で爆発した。その最新の標的は羽鳥真美子、十五歳……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジンベエ親分
45
中学校に英語教師として赴任してきた大量殺人犯、ということで貴志祐介の「悪の教典」を彷彿とさせる話だが、こっちはサイコパスどころの話ではなく、正真正銘の狂いっぷり。そもそも隠蔽したりする気がないので、後半はお約束のようなB級感溢れるスプラッター劇に一直線(笑) まあ残虐描写もさほどではないが。が、彼がその異常性を露わにし始める描写、それを見た生徒の恐怖感、そして偶然彼の全開っぷりを目撃する羽目になった或る女性の恐怖感はハンパなく伝わって怖い。この場面だけでもこの小説を読んだ甲斐があった。2018/03/19
koguma
33
20年振りの再読。当時はこれ、面白すぎると思いながら貪り読んだ記憶があるんだけど、再読の今回は頭の中に?マークがよぎるばかり。頭のイカれた教師という設定は、近年読んだ「悪の教典」を彷彿させるような気もしないでもないが、とにかく文章が稚拙!心理的に迫ってくる怖い話のはずが、何度も途中プッと吹き出してしまいそうになった。20年経って私の小説に対するハードルが高くなったのかな?(笑) 2016/04/10
みなみ
19
こちらも再読です。自宅待機なので本がよく読めます。「踊る少女」「初恋」「先生」と読んで、怖いけどなんか底に感じるB級感。母親がこんなじゃなければ、この先生ももっと普通だったのに。いや父親も悪いか。2020/04/20
肉嬢★
17
相当気持ち悪い。そして北薗の母親もヤバすぎる。遺伝子で結ばれた殺人共同体…とあるがそんな親子関係たまったもんじゃない!しかし、こんな事件を起こして無罪になったら考えた方が良いだろうなあ。精神病?のせいとなったらつけ込む輩が居る事は間違いない。まあ症状の度合いにもよるだろうけど。2019/07/15
燕(つばめ)
12
オトコオンナと子どもの頃に虐められ英語教師となり殺人を繰り返すホラー小説と言えば怖い話と相場は決まってると思ったら大間違い!主人公と母親の異常性格が完全にキてます。読みながら変な本読んでるけど自分の頭は大丈夫だよね?と確認作業を行うこと数回、ぶっ飛んでる恐怖ですね。思いっきり気分転換には良い小説だと思います、さぁぶっ飛びましょう!2019/02/12