内容説明
「見送る者は無言の自然のみ。行く先は何処ぞ……」。1941年、行き先も目的も知らされないまま、家族に別れも告げられず、11人の男たちは潜水艦に乗艦した。船酔いに苦しむ大滝、人間関係に悩む二本柳、接吻に憧れる北、軍規に反し日記をつける勝杜……。著者の伯父の日記を元に、明日をも知れぬ男達の真実の姿を描いた感涙の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
せぜき
1
2023.9.30に舞台を観て、泣きながら物販で本も買った。ついでに大安売りされてたグッズセットも買った。なかなか楽しいグッズセットでした。 やっぱり自分は、こういう物語が好きだなあと思った。いまの価値観で「こんなの間違ってる」と言うのは簡単だけど、その時代の人達が、愛する世界と愛する人達のために、色々な気持ちをぐちゃぐちゃにしながら、耐えてふざけて怒って楽しんで涙を流して笑った日々を愛しいと思う。人間のそういう姿を好きだなと思う。2023/11/08
しの
1
舞台は観ていないので、観たくなりました。再演を祈るばかりです。2016/04/28
あっきい
1
大日本帝国海軍の潜水艦に乗り込んだ男たちのいく末を描くも、史実の重みに反して本作はコミカル。そして、このコミカルさが邪魔をして小説としては違和感を感じてしまう。が、著者は今は無き劇団「方南ぐみ」の作演出者。本書を演劇台本ととらえれば笑いあり涙ありの熱い芝居が目に浮かぶ。2015/10/15
むう
1
たぶん演劇としてはかなり面白かったのではないか。文章で読むと、ちょっと笑いの部分とまじめな部分のバランスが悪い感じがする。実際の潜水艦の生活がこうだったということなら仕方がないが、そうではないように思われる。2015/10/04
ひゃく
1
8/27~ 舞台のノベライズなんでしょうか。 もう少し硬派な戦争ものを期待してたんですが、笑いあり涙ありの舞台ものになってたんで、あまりのめり込むことなく読み終えた感じ。 作者の叔父の日記をもとにした話らしい。 ただ、現代風にアレンジするのは構わないんですが、思想部分も現代風になってる気がして、緊張感の少ない作品に思えた。 潜水艦乗りが日記を書いてはいけないというのは初めて知ったけれど、理由からすると、潜水艦乗りだけに限ったことではない気がする。 正直な感想としては、舞台で見れば面白かったかも、な感じ。2015/09/01