内容説明
建艦からわずか800日でフィリピン・シブヤン沖の海底深くに沈んだ戦艦『武蔵』。発見された船体はなにを語るのか? 71年前の『武蔵』の最期を目撃した人びとの証言とともに、その真実を探る
※本作品は紙書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
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roatsu
9
海底に眠る武蔵を捉えた写真では、各部が本当に綺麗に残っていて驚くとともに今も艦を枕に眠る英霊への哀悼の念を新たにする。武蔵発見を機に編まれた証言集だが、建造関係者や将兵が残す証言こそ重要と改めて実感。吉村昭の本の誤記も分かり、読み物と記録との間には厳とした差異があることが知れる。真摯に書かれても文学にはその限界があるので歴史を学ぶ際には注意が必要。傑作戦艦を建造した日本を誇るのは勿論だが、最期の悲惨な対空戦、沈没と漂流の地獄と救助後の更に残酷な運命、と武蔵乗組の将兵が辿った歩みにもしっかり目を向けねば。2015/08/02