内容説明
途方もない浪費と試行錯誤を繰り返している人類が行きつく先には、何があるのだろうか――? 生きることに倦み、精神のやすらぎを求めていた一組の男女が、冷凍睡眠法により永く深い眠りについた。56世紀になって再び眠りからさめた彼らに、果たして精神のやすらぎは訪れたのか? どうにもならない精神的な袋小路に追い込まれた現代人の宇宙空間的な未来史。表題作の他、人類を、地球を、そして宇宙を丸ごと描いた本格的なSF5編を収録した短編集。生頼範義イラストと小松左京作品の変遷と関係性を考察した解説付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
11
★★★★★かれこれ30年ぶりに読んだ。結局その当時と感受性は対して変わっていないのか、同じように楽しめた。SFとしては最高傑作。サイエンス、フィクション&ファンタジー、すべてが盛り込まれた科学色豊かな小松左京の代表作というよりは、日本を代表するSFの一冊。
吉田 光貴
7
特に表題作には普遍的な魅力が詰まっていて、現在読んでも違和感なく楽しめる。SF作品だからなのかも知れないけどちょっと感動した。2017/03/06
しんこい
5
再読。すべてに退屈したような人類の次なるステップはどうなるのかという表題作の構想は相変わらず雄大。初読、時星殺しにとまどった記憶がよみがえりました。2017/02/20
深海魚
2
表題作は、結局こういう壮大で深遠な宇宙SFが好きだなぁと思わされる傑作。最近はもうこういったSFはほとんど書かれないが、何十年も前にこんな作品が書かれたのなら必要ないのかもしれない。その他「飢えた宇宙」「星殺し」なども面白い。掌編「宇宙に嫁ぐ」の荒涼とした光景になぜか安らぎのようなものを覚えた。2023/11/23
take6
2
むずかしいがおもしろい2019/10/11