内容説明
1970年代初頭、生存していた従軍慰安婦や看護婦たちに長時間インタビューを試み正確に活字化。体験者が語った貴重な戦場の実態。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katerinarosa
5
読みながら、腹の立った本。中身にではない、著者にである。あとがきを読んでさらに胸糞が悪くなった。著者の戦時下の経験については、何も言うつもりはない。トラウマになったことは容易に推測できるし、そのようなことがこのような本を出版し、日本の戦争についての記事の取材を続け、スクープを取る原動力になったというのも理解できる。また、これだけ膨大な量のインタビューを行い、それをまとめたというのも相当な労力を費やされたのもわかる。が、あとがきに「私の主観的にまとめられたものである」と書きながら、「書くことがジャーナリズム2016/02/28
あり
4
まとめ・あとがきまで読んでこその1冊。45年前の筆者の言葉に、ある意味での新鮮さすら感じてしまう。読後にはきっと「戦争は怖いね」以外の感想がうまれるであろう本です2010/05/22
うたまる
3
「このレポートは、私が大変主観的にまとめたものであることをお断りしておきたい。もちろん取材はできる限り綿密にしたつもりだし、談話を歪曲するなどは全くしていない」……そう、証言自体は歪曲していない。しかし、その証言についての著者のコメントがひどく歪み曲がっているのだ。更に言うと、折角の貴重な証言なのに”まとめ”のハレーションで印象が薄まっている。即ち、証言が脇役になり著者の主張が主役になってしまっているのだ。なるほど証言者と信頼関係が結べなかったのも頷ける。著者のご託宣は読み飛ばし、証言のみ拾い読みすべし。2017/11/12
のん
2
文庫のあとがきにぐっときた。今まで自分の中でもやもやしていたことを、まとめてもらった気がした。2013/08/15
VC
2
朝鮮や中国の慰安婦についてではなく、内地の人を中心とした内容。さらに半分は士官用の人の話なので結構華やかなんだということが分かった。しかし、ここでも満蒙開拓団について書かれているとは思わなかった。家族が生きるため、幼子を井戸に落とすときの気持ちはいかなものだったのだろう。まぁ、そのことはおいといて、今までの従軍慰安婦ものは朝鮮の方々の強制連行に関する記述ものが多かったのでこのように日本人慰安婦について書かれている本は良書。おすすめの一冊2010/12/30