内容説明
悲壮な戦いの場となった城には、心を揺さぶるドラマが秘められている。城の攻防戦で体を張って、戦いに挑んだのは男たちだけではなかった。戦国の女たちは個性的であり、現実をしっかり捉え、運命に翻弄されず、自分を見つめて行動していたのである。夫や子どものために命を賭して城に生きたヒロインたちの真実の素顔とは―。城に生きた女たちの感動のドラマを歩く。
※本作品は紙書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
於莵丸@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
4
戦国期というと、男性の時代。“姫”というと、儚く寄る辺のないイメージですが(独断と偏見?)、この本では体力的な男性の強さとは異なる、女性の強かさ逞しさ、能動的な意志を感じました。ある者は政略結婚により家を結び、ある者は内助の功として陰ながらサポートを、ある者は弓持ち鎧を纏い、自らが先頭に立って戦の、政の采配をふるう。いずれにせよ、そこには現代よりも“家”という集団意識が強い時代の、その重要な集団結束力を繕う女性の存在を見受けました。→2010/11/12