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内容説明
かつて世界三大兵学校のひとつと称され、若者たちの憧れとなった最高の教育機関が広島・江田島に存在した。卓越したリーダーシップと世界でも通じる人間性を養うその教育を、最後の生徒だった著者が克明に再現する。
※本書は二〇〇六年に講談社より刊行された単行本『江田島海軍兵学校 究極の人間教育』に、書き下ろしを加えたものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
21
この本を読み、ベクトルは違うが大相撲の宮城野部屋のゴタゴタを思うと人間教育の重要性が分かる。エリート教育故についていける人間は限られてはいるのだろうけど、紳士的精神を重んじる海軍兵学校の精神性は現代社会人にも教訓となる。2024/02/29
てつのすけ
18
優秀な学生が集まっていたという印象がある海軍兵学校だが、終戦の直前は学生数が大幅に増加していた。しかし、その目的は、優秀な人材を戦後に残すためであった。もし、このような考えがなかったなら、日本の戦後の姿は異なっていたかもしれない。また、軍人を養成する学校だったが、一般教養が重視されていたことも意外であった。2024/02/11
柔
15
「士官である前に紳士たれ」時代遅れかもしれないが、人間の大切な根本は変わらない。江田島海軍学校最後の著者が振り返る。3s「smart」物事に柔軟に対応し素早く動くこと「steady」着実であること「silent」無駄口や雑音をなくせ。教養のない、知識が偏った人物には冷静な判断は下せない、と戦況が悪化しても一般科目を重視した事も教育として素晴らしい。「日本人は計画を遂行するには、有能だが想定外の処理は上手ではない」米英からみた海軍についても書かれる。五訓、武士道等、日本の精神は是非残って欲しいと願う。2023/02/22
大先生
9
世界最高の教育機関っていうのは言い過ぎかもしれませんが、確かに海軍兵学校の教えは素晴らしかったと思います。「教育とは、できない者をできるようにすること」「優秀であるのは良いことだが、席次を競うな」「読むより考えろ」等など。鉄拳制裁の悪しき伝統は海軍兵学校にもあったようですが、基本は「士官である前に、紳士であれ」だったそうです。生きるか死ぬかという戦争中に紳士であれと教えていたなんて、さすが武士道の国!私なんか素直に感動しちゃいました。現代日本人なら、ビジネスパーソンである前に紳士淑女であれですかね?2021/02/27
とみやん📖
7
表現が平易で、海軍や戦前の歴史が補足説明されていて、読みやすい。田安徳川家出身で華族であり、かつ終戦直前の特殊な状況で兵学校に入学していることから、必ずしも全貌を著していないのかもしれないが、少なくとも井上成美校長以後の兵学校教育は戦中でありながら徳知体を磨く人間教育だったことがわかり、意外だった。山本権兵衛、山本五十六、山梨勝之進、米内光政、井上成美と、立派な海軍の軍人がいたことがよく分かった。3Sやら、士官である前に紳士たれ、など、キーワードは覚えておきたい。2018/01/28