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内容説明
かつて、電気から電波、エレクトロニクスへと発展していくにつれて消え去った「実体」が、21世紀になって、「科学家電」と呼ぶべきスマホなどの登場でよみがえり、科学が「手触り」の世界に戻ってきた。科学がふたたび人間と機械を通して語られ、未来の科学はもはやSFではなくなった。20世紀に突如として現れた発明品と発見者の伝記を読み解くことで、いままた現代科学が「素人にも理解できる」機械と人間からなる実体(リアル)へと変わる。(ブルーバックス・2015年3月刊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
203
荒俣せんせーの興味の幅の広さね。正に博物学者による近代科学物語でした。但し、ドイツとアメリカに限る。と。科学専門の方とはちょっと違う様に思われる独特の切り口、目線が斬新に感じました。科学者の人物像と言うよりは、社会との関わりに重きが置かれているのかなぁ。 プリンストン高等研究所の章にて、“二十世紀最後の奇人となることを生涯の夢とする”との記が。儂は認めますけどね。( ¨̮ )。 せんせーの様に、貪欲に知識を貪りたい人生であった。@凡人2021/07/12
きいち
31
自分ってつくづく文系なんだなあ、と思い知らされるような。◇95年のドイツ・アメリカ科学博物館探訪記をもとにした、20世紀の技術史が、エジソンはじめ小さなときにマンガの伝記で読んだ人からとても伝記にならなそうなエキセントリックな奇人まで、列伝で語られていく。飛行機、ロボット、電話、コンピュータと短章が重ねられて面白い。この形式だから読めるんだよなあ。◇それにしても終章がすごい。ネット以前の21世紀展望が今読んで全然おかしくない。技術の連なりが作った人の連なりが技術を連ねていく姿は変わらない真理、ってことか。2016/11/17
ぐうぐう
27
19世紀に発展したドイツ科学と、そのドイツを受け継ぐ形で花開いた20世紀のアメリカ科学を二部構成で紹介する。まえがきで著者が述べているように「科学の歴史の人間部分に光をあて」ようとする点が、なんとも荒俣宏らしい。ところが、いざ読み始めると、意外や、これが真っ当な科学史なのだ。そこが逆に物足りない。荒俣流の視点が、もっとあっていいと思うのだ。とはいえ、働かないロボット考や、聾唖者のための発明が電話機を生むベルの皮肉など、ユニークな解釈は荒俣宏ならではと言えるかもしれない。2016/07/25
宇宙猫
18
★★ サイエンスの方が面白くて、異人の話は無くてもよかった。2016/05/06
たかぴ
17
著者の科学と非科学の間を行き来する知識が好きです。2022/05/19