内容説明
獣の身を横たえる大鳳を救うべく、雲斎は月のチャクラの活性化を試み、道潅と九十九は修行僧・吐月に、「雪蓮」について情報を求めた。問いに応え、吐月は二人に20年前のチベットでの体験を語るが――。
※本書は二〇〇一年九月に朝日ソノラマより刊行され、二〇〇九年一月に朝日新聞出版より刊行された作品を、分冊のうえ文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
49
角川文庫版キマイラ十一巻。まだまだ数々の謎は謎のまま、それぞれの人物も登場のたびに繰り返し描写されて飽きそうなのに飽きないところが著者ならではですね。『よくできました』。今作では沙門・吐月の語るチベットでの物語がこれまでにない大きな核となる、でも謎は謎のまま(笑)。それでも大鳳と両親との出会い、九十九の悟り、そして裏主役・菊池の更なる覚醒と確実に動き始める。そのなかラスト直前で流してしまいがちだけど、キマイラ化のすすんだ久鬼の歯止めの聞かない異形ぶりは特筆に値する。一度読んでいてもなお次巻に期待。2015/03/31
木村 武史
22
「雪蓮の一族」について語る、吐月の過去の話が中心。その中で狂仏の正体も明らかになる。なかなか展開が進まない回ではあるけど、謎が一つ解けてよかった。あと、チャクラが鬼骨を合わせ8つかと思ったら、10個もあるの?2021/07/25
ぎん
6
少しずつ謎が明らかになるが、相変わらず物語の進みはノロノロ。それでも読ませてしまうのはすごい。 ラスト次巻を一刻も早く読ませたくなる展開でズルい。2015/04/11
なつみかん
5
この巻はまだ最近のモノだと思っていたけれど、読んだら意外に覚えてなくて新鮮だった、そしてこれも思ったより動きがあった!2015/03/22
爺
5
大鳳吼、出番なし。狂仏(ニョムパ)と外法絵、外法印を追う吐月の回想譚が中心の巻。チベット・ラマ教の寺院で吐月と陳岳陵は、狂仏ツォギェルが見たという、第八、第九、第十のチャクラが描かれた外法絵を盗み見た。そして大鳳吼が養父母に引き取られた際のエピソードは、謎を残したまま。物語は混沌としたまま、次巻へと続く。2015/03/06