角川新書<br> 資本主義の預言者たち ニュー・ノーマルの時代へ

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角川新書
資本主義の預言者たち ニュー・ノーマルの時代へ

  • 著者名:中野剛志【著】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • KADOKAWA(2015/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784047317352

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内容説明

資本主義は崩壊するのか、生き残れるのか。
ケインズ、シュンペーター、ミンスキーなど、5人の経済学者の思想・理論を通して、今日の経済事情と資本主義の行く末について考察した一冊です。新書用に書き下ろしたプロローグ(約70ページ)では、ピケティの『21世紀の資本』をはじめ、ノーベル経済学者のスティグリッツ、クルーグマンなどの最新経済論文を取り上げ、世界を覆う経済危機について、詳細に解説しました。そして世界は、「長期停滞と失業」という、経済成長が望めない状態、“ニュー・ノーマルの時代”に突入したことを、明らかにしています。
その大きな要因は極端なグローバル化と金融資本主義です。では、今後さらにグローバル化が進んでいくと、どうなるのでしょうか。
ピケティの『21世紀の資本』が話題ですが、あの大著を読まなくても、この本を読めばピケティの主張だけでなく、今の資本主義の問題がまるごとわかる!
※この本は、『恐慌の黙示録―資本主義は生き残ることができるのか―』の新書化です。

中野剛志(なかの・たけし) 1971年神奈川県生まれ。評論家。元京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治経済思想、政治経済学。東京大学を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。エディンバラ大学より博士号(社会科学)取得。イギリス民族学会Nations and Nationalism Prizeを受賞。山本七平賞奨励賞(『日本思想史新論』ちくま新書)。主な著書に、『TPP亡国論』(集英社新書)、『日本防衛論』(角川SSC新書)など。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

35
2009年初出。新自由主義:自由市場には、価格を通じて資源を最も効率的に配分し、経済厚生を増大する原理があるという原理の下、政府の介入を排除し、経済活動の自由を許容するイデオロギー(11頁)。スティグリッツは、グローバル化とは、政治的な利益誘導の産物で、歴史の必然でも不可避の潮流でもないと喝破した(45頁)。ハイパー・グローバリゼーションは格差拡大と成長鈍化をもたらし、国民国家の民主主義と矛盾する(48頁)。ガルブレイスは、漸進だが持続的成長をする経済運営を主張する(58頁)。2015/11/19

さきん

32
ちょっと古いが世界の抱える経済問題の本質は、2016年も変わっていない。残念ながら、実態経済と金融経済の動きは乖離し、経済学も合理や科学を謳いながら、人間の欲望、不安などの緒要素を勘案できていない。シュンペーターの成功するがゆえに資本主義は終焉するという見方は興味深いが、科学、技術が発展するための効率的な経済としては、その最終的なる成功まで資本主義経済が機能し続けることになると思う。金融経済やグローバル化から共同体や伝統を資本主義とは別に守る必要を痛感する。2017/01/05

おさむ

20
新聞各紙の書評欄に取りあげられていたので読了。格差を拡大し続ける現代の金融資本主義もまたリーマンショックによって崩壊した。この流れを5人の経済学者の学説によって説く意欲作です。ハイマン・ミンスキーの金融不安定仮説が一番ふに落ちました。2015/08/12

masabi

15
新自由主義による規制緩和が2008年の経済危機を引き起こしたことを資本主義への疑いが高まるなか、20世紀において既に資本主義が内在的に危機を孕むと説く5人の経済学者がいた。5人がどのような問題意識を抱いたのかを解説していく。金融が実体経済を蝕み危機を誘発するといった金融危機を予見した鋭い洞察力に基づき資本主義への処方箋を示す。2015/02/24

skunk_c

12
元通産官僚が、リーマンショック直後に『恐怖の黙示録』として出した本の再発。ミンスキー、ヴェブレン、ヒルファーディング、ケインズ、シュンペーターという5人の個性的な経済学者の学説から、企業(産業)と金融(資本)の分離した資本主義への警句の部分に焦点を当て概説、その上で持論を展開している。文が読みやすく、概説部分はその着眼点も含め興味深かったが、まあこの部分は他人の褌。持論の部分は、同意できる点も多いのだが、「道徳」という言葉の使い方など、疑問点も多い。最大の欠点は成長する中国が全く視野に入っていないことか。2015/10/17

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