内容説明
神田豊島町の道場主・千坂藤兵衛の娘・里美は、一刀流の達人。ある日、道場の用足しの道すがら、ならず者に絡まれていた歳若い浪人・彦四郎を助けた縁で、淡い恋心を抱く。やがて、彦四郎も道場に日参するようになるが、彼の素性には、驚愕の事実が隠されていた。里美の恋、彦四郎の行く末、悪名高き大盗賊の陰謀。江戸の町に大きな嵐が起こる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
26
女剣士里美の活躍は冒頭だけ。主人公は娘の恋を見守る父である剣客千坂藤兵衛。娘とその惚れた相手を包み込むような父性は、今の時代ではなかなか存在が難しいですよね。2013/03/12
真理そら
14
純真な女剣士里美の初恋?が可愛い。すわりのいい設定と気持ちのいい剣戟で安心して読めそうなので、ゆっくり読んでいくつもり。2018/05/16
けん
7
★3.5 キャラクターがいいし、チャンバラシーンも迫真。2020/08/14
ワット
3
久々の時代小説。楽しめた。とても読みやすく時代小説入門の一冊として最適。2014/11/19
としえ
3
一刀流中西派の千坂道場の道場主、千坂藤兵衛とその一人娘、里美。三人の男達に囲まれ暴行を受けている彦四朗を、里美が助けたことから物語が始まる。『里美の恋』と副題にあるが、彦四朗と出会った時の印象は悪く、どのあたりに惹かれたのかは不明。読みやすかったが、可もなく不可もなく・・といった感じだなと思っていたが、最後の里美と彦四朗の稽古を見つめる藤兵衛が「・・・どこが、娘らしくなったというのだ。」と苦笑する場面がツボにはまり、もう一冊読んでみようと思った。2013/02/04