小学館新書<br> 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

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小学館新書
竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

  • ISBN:9784098252220

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内容説明

内田樹×竹宮惠子の目ウロコ初対談。

 内田樹と竹宮惠子の初対談。日本のマンガはなぜグローバルになったのか?よくある質問だが、誰も言わないことを言う内田樹と、少女マンガの常識を打ち破ってきた竹宮惠子は、思いがけない理由を次々とあげる。核心になるのは「オープンソース」。マンガは描き手が次々生み出す手法をコンピュータのOSのように公開し、誰が使ってもいい許容の中で成長してきたからすたれない、と言う。
 ふたりは共に1950年生まれ。戦後マンガの黄金時代の始まりと成長期がぴったり重なった世代で、人生が変わるくらい大きな影響を受けた。マンガ家とヘビー・リーダーに分かれたが、共に大学教授になるなど、じつは共通点が多い。奥深いマンガ界に迫る「竹と樹の詩」ならぬ「竹と樹のマンガ論」。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

61
マンガ制作や流通のシステム、リーダビリティについてお二人が考えていることなどが語られ、とても楽しく読了。大学でマンガの描きかたを教えなくてはいけない時代になったのかとかなり懐疑的な見方をしていたけれど、この大学だったらメソッドがしっかりしているし覗いてみたいかも。ただやはり、どの世界も基礎的な知識の蓄積+技術+才能+運なのだろうな。2018/09/17

まるる

53
あらためて、マンガって凄い文化なんだなぁって思わされた。子供の頃からマンガ好きで、大人になった今でも好きだけど、分析したり、多角的に捉えたりとか考えたこともなかった。しかも、今はマンガを大学で教えてて、日本のマンガを学びに世界から留学生がやってきてるなんて初めて知った。マンガという文化がある日本に生まれてきて良かった。世界に自慢できる文化だとつくづく思う。2016/07/06

Y

37
今やマンガは日本が世界に誇る文化のひとつになっているけれど、ビジネスの面からだけでマンガを論じていては見えてこないものがあるんだなと二人の対談を通して思った。マンガの真の発展を願うならば愛情をもって扱わないといけないんだな。マンガって閉鎖的な感じがするけど、ふたを開けてみれば開かれた文化だということがわかる。漫画家同士の関係もそうだし、マンガの技術もそうだ。だからこれほど豊かな文化になったんだなぁ。マンガって本当にいい文化だ。胸をはって言える。2015/01/19

Nobuko Hashimoto

35
面白かった! 日本のマンガがなぜここまで進化したのか。それは技術や表現方法を作家が独り占めせず、オープンに誰でも使えるから。それによって業界全体が発展したのだという。マンガ界に限らず、構成員がみんなで業界を支えているという意識が大事だという。そのため京都精華大マンガ学部では、教員が情報共有して学生全員を育てているという。文化論としても教育論としても参考になる。精華には一時期教えに行っていて思い入れもあるので、今後のますますの発展に注目したい。2015/02/22

ぐうぐう

31
とてもおもしろい。一般的に、男性の評論家が少女漫画を語ると、空回りした学術的読解に辟易するパターンが多いのだけれど、内田樹の場合は、若くして少女漫画の愛読者だったこともあり、その分析に地に足が着いた感があって、好感が持てる。その内田の論を、現在、大学で新人漫画家を育てている竹宮惠子が後押しし、かつそこから、漫画家である竹宮の経験と照らし合わし、論を血肉に変換させているところが納得を強めるのだ。また、『風と木の詩』の執筆裏話など、少女漫画ファンにも嬉しいエピソードも満載だ。2015/03/09

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