内容説明
摂津国伊丹で酒蔵を営む鴻池新六は、ひょんなことから濁りのない酒「清酒」を発明する。評判を呼ぶ新六の前に現れた謎の男・半一。彼は新六が「ある名将」の忘れ形見であることを知っていた。半一を遣わした“大御所”徳川家康の思惑とは。さらに新六は、茶屋四郎次郎、淀屋善右衛門ら大物商人と出会い、海運業、大名貸へと乗り出していくが――。江戸時代を代表する「鴻池財閥」を築いた“脱武士”商人・鴻池新六の血湧き肉躍る一代記!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BlueBerry
77
「鴻池財閥」を築いた“脱武士"商人・鴻池新六の一代記。一言で言えば「ベタ」な商人物のサクセスストーリー。驚くほどの展開はないけれどじっくり楽しませてくれました。感動も大したことはなかったけれど割と良い感じで読み終われたので満足感はありますね。多分、商人物が好きな方なら楽しめると思います。序盤○中盤○ラスト○総合○2014/10/31
里季
61
武士の身分を捨て大阪の豪商鴻池を築いた男の物語。少し話が冗長な気がしたが、酒商人の話を読んでいるはずが、いつのまにか関ヶ原の戦いになっていたりして、ああ、戦には酒も米も必要、そのためには商売も大事だったのだなと今更ながらきづいたりした。2015/03/20
007
28
★★★☆☆ 大阪の豪商、鴻池。ちょっと話を盛りすぎなんじゃない?とは思うが、面白かった。我慢と苦労を重ねて成功していく話は気持ちが良いものです。2015/02/05
むつこ
27
武士の子として生まれた少年が商人になったお話。10年で酒屋の杜氏になるのもすごいけれど、船を買い、両替の商いを始める。商売も天下をとるのも我慢が大切。人との縁、堪忍、寛容って難しいことをやってのけたから財を成すのだろうな。2015/08/31
あっこ
24
「誉れの赤」が面白かったので、読んでみた。武士と商人では、ものの考え方が違うけれど、それぞれの立場で苦労があったことを改めて感じた。晩年の新六に毛利家がお金を借りに来る場面の二人のやり取りが印象的だった。全体的に満足な内容だった。2015/01/14