講談社現代新書<br> 生命のからくり

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講談社現代新書
生命のからくり

  • 著者名:中屋敷均【著】
  • 価格 ¥869(本体¥790)
  • 講談社(2014/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062882682

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内容説明

現在の地球に存在する多様な生き物たちは、単純な化合物から進化してきたと考えられている。「生命」が単なる物質から決別し、その脈打つ「鼓動」を得たのは、どんな出来事が転換点となったのだろうか? 本書では、最近の生命科学の進展から得られた数々の知見を通じて、生命の根源的な性質を「自己情報の保存とその変革」という二つの要素と捉える。これらが悠久の時を経て織りなす「生命」という現象の「からくり」に迫る。(講談社現代新書)

目次

序章 生命の糸・DNA
第1章 生命と非生命
第2章 情報の保存と絶え間なき変革
第3章 不敗の戦略
第4章 幸運を蓄積する「生命」という情報システム
第5章 生命における情報とは何か
第6章 生命と文明
終章 絡み合う「二本の鎖」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅花

18
科学でもあり哲学でもある内容。古代の哲学者も、こんな物の考え方をしていたんだろうか?正確さやスピードを求められる現代では「悪」や「負」とされている「エラー」と、「エラー」を起こさせるる「ゆらぎ」という言葉がずっしり重く、相反する遺伝子の振る舞いの意味が深く、この手のテーマで良い本に当たったことが無かったけど、あまりにも、世界観の違いに、今回は少しずつかみしめながら、考えながらじっくりと読んだ本だった。久しぶりに、濃い本だった。2019/01/26

白義

16
生命の本質とは、情報の保全と情報の変革である、という洞察から分子進化学のトピックを思索的な文章でたどり、一見矛盾するこの二つの要素を生命がどう両立させているのかを語っている。例えば、DNAの二重らせんはそれぞれ、情報の保全を担当する鎖と、変革を担当する鎖があるという。また、有性生殖というシステム自体、本来は冗長かつ不安定でリスクを伴う、にも関わらず、これらの一見面倒な仕組みは生命に適度な変化をもたらして多様な生命史を成り立たせている。福岡伸一フォロワーな文章で、とても読みやすいが味わい深く思想書的な雰囲気2019/01/08

たんたんx

14
一つのテーマや仮説について一貫して解説するというより、現在までの生物学の中で、興味を引きそうなトピックを集めてまとめた本という感じです。それでも、遺伝子や分子生物学の予備知識がある方が、より楽しめると思います。個人的には、DNAの基本構造、ウィルスの定義、不均衡進化論、海底の熱水噴出孔とRNAワールドという二つの生命の起源説、分子の自己組織化などの記述がとても興味深く、さらに理解を深めることができました。2016/06/09

武井 康則

12
生命を考えるためにまず、他の生物の体内で共生関係を作る生物の話。それは生きているのか、あるいは我々はみな単体ではいきていけない。体内にすでに他者がいる。そんな複雑な生命の定義として、情報システムを言う。自分をのちに伝えるものとしてDNAの説明。働きは二つ。忠実に伝える。もうひとつは進化・変化を伝える。忠実なだけではただのコピーで、変化させたら伝えたことにならない。不動か混乱かと言い換えてもいい。そんな矛盾をどう生物は乗り越えているかという。本筋でなく最初の、自分の中の他者に惹かれるものを感じた。2020/02/09

しゅわっち

12
面白かったです。寄生する生物が単体で生きれない状態。DNAが同じでも脳の神経細胞の接続経路の違いにより同じにならないは、新鮮でした。細胞は、進化と保存という相反するテーマをうまくこなしているのがわかる本でした。また、運と同じで、たくさんの試行を繰り返し、精度を良くしていると感じました。著者が、自分で考えた考えを書いているので、ストレートに理解できました。2019/03/27

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