小学館新書 次世代スパコン「エクサ」が日本を変える！ 「京」は凄い、“その次”は１００倍凄い（小学館新書）

著者名：辛木哲夫【著】

小学館（2014/02発売）

• ISBN：9784098251988

内容説明

次世代スパコンが我々の生活にもたらすもの。

６年後の完成を目標に、“エクサ”級の次世代スーパーコンピュータの開発計画が進行中だ。これは、計算速度世界一を２回獲得した、日本が誇るスパコン「京」の後継機で、京の１００倍規模もの計算速度（１秒間に１エクサ回）を持つ。スパコンは現在でも様々な分野で活躍しているが、「エクサ」を利用すれば、大地震の際に津波が発生した場合、その規模、到達地域や時刻をより短時間に、正確に予測し、被害の軽減に役立つと期待されている。また、天気予報も長期予報、短期予報ともより正確になる。さらに、新薬開発の期間・コストの削減による医療費の抑制、難病治療、テーラーメイド医療、低燃費で安全な自動車開発、さらには超新星爆発や暗黒物質など宇宙の謎の解明にも貢献する。我々の生活を安全・快適にする次世代スパコンの可能性を、現在運用中の「京」の業績をもとに詳細に予測する。

※【ご注意】この作品には表が含まれており、お使いの端末によっては読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立読みファイルをご確認いただくことをお勧めいたします。

目次

第１章　次世代スパコンが未来をつくる（スパコンはなぜ重要なのか　スーパーコンピュータの定義　ほか）
第２章　「京」のすごさと開発の難しさ（初めてのスパコンはｉＰｈｏｎｅと同レベル？　日本のスパコン開発の歴史　ほか）
第３章　エクサがつくる「京」の１００倍の世界（エクサの概要　エクサ開発の難しさ　ほか）
第４章　計算科学が世界をひらく（シミュレーションは第３の科学　シミュレーションとは何か　ほか）
第５章　これからの課題とスパコンがつくる未来（クラウドで気軽にスパコンを使える　神戸市による利用者支援　ほか）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[onaka]

2020年までに京の100倍速いスパコン「エクサ」を開発する計画あり。広がるスパコンの可能性を当事者がひたすら宣伝している手前味噌感はあるが、でも素人にも読みやすくわかりやすく書かれているのは評価。個人的には非ノイマン型の動向にも注目しておきたいところだが、現実にはひたすら計算量を追求したい用途は、確かにまだまだあるな、ということがわかった。なるほど。

2014/09/26

[cybermiso]

著者は京の立ち上げから関わってる理研の方。著者の語るスパコン（特に国産スパコン）の必要性にとても強い説得力を感じた。最新のスパコン事情が手軽に知れてためになる。新薬開発やダークマター、シリコンナノワイヤなど、スパコンでなければいけないシミュレーション例が豊富にあげられていてためになる。

2014/02/15

[文章で飯を食う]

限界を突破するために、京が取った方策が面白かった。この後で、新世代スパコンの戦略がでるかと期待したが、それは無し。スパコンの利用法がなかなか、面白かった。

2014/10/22

[N.Y.]

なんだかなぁ〜京を作った物語だったらもっとドラマがあった（はずな）のにと思うし，エクサをつくる正当性を訴えるなら100倍の性能で何が出来るのかもっと客観的に書かなきゃ駄目でしょ．どっちも中途半端で何を訴えたいのか分からないですね．そもそも，「エクサ」が日本を変える！なのに「エクサ」で何が変わるのかが殆ど何も書いてないに等しい．唯一定量的に天気予報が書かれてたけど，100倍じゃ足りないってイミフな結論だし．殆どが「京はこれこれが出来た．100倍になったらもっと凄い！」ってそれは誰でも分かる．何が凄いのか？？

2015/10/30

[Yambeee]

スパコンに関して「世界一位じゃなきゃダメなんですか？」と言ってしまった議員がいたが、勉強不足過ぎたね。スパコンは医療創薬、自動車などの産業界にとって大きな武器です。京で言えば、火力発電所を一基分ほどの電力を持ってしても、製品開発に必要な膨大なシミュレーションを実行し開発期間を短縮させる。それが結果的にどれだけのメリットをもたらすか。

2015/10/17