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内容説明
セックス、ギャンブル、アルコール、オンラインゲーム--人間はなぜ、これらをやめることができないのか。それは中脳から放出される“脳内麻薬”ドーパミンが「快感」を司る脳の各部位を巧みに刺激しているからである。コカインや覚醒剤はこの脳内回路「報酬系」を誤動作させて過剰な快楽を与え、依存症を招くものだ。だがこのドーパミンは他人に褒められたり、難易度の高い目標を達成するなど、「真っ当な喜び」を感じる時にも大量に放出されている。なぜ人間の脳はこんなしくみになっているのか。話題の美人脳科学者が人体の深遠なる謎に迫る。
目次
第1章 快感の脳内回路(快感の源、ドーパミン ドーパミンは何をしているのか ほか)
第2章 脳内麻薬と薬物依存(患者数のもっとも多い病気、依存症 依存症の正体 ほか)
第3章 そのほかの依存症―過食、セックス、恋愛、ゲーム、ギャンブル(ストレスと摂食障害 脳に分泌される物質、レプチン ほか)
第4章 社会的報酬(社会的報酬とは何か 承認・評価 ほか)
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
450
脳内快楽物質ドーパミンの機能と特質を分かりやすく解説したもの。これを読んでいると、我々人間はドーパミンに支配されているのではないかという気になってくる。ことほど左様にドーパミンの支配は随所に及ぶ。アルコール、ニコチン、ギャンブル、セックスなどは誰しもの想像の範疇だろうが、恋愛や給与報酬に至るまで、ドーパミンが関与しているらしい。また、本書を読んでいて思うのは、人間はつくづく社会性の動物だということ。もちろん、それもまた社会性報酬としてドーパミンが深く関わっているのだが。 2018/05/28
徒花
439
おもしろい。結局のところ、人間の行動原理は脳内で快楽を生み出すドーパミンなどの神経伝達物質を得ることを目的としていて、酒を飲むことも、タバコを吸うことも、セックスすることも、仕事で成功することも、友達と仲良くすることも、すべては脳内麻薬に依存している結果であるのかもしれない。ただ、社会的に「よい依存」と「悪い依存」をほかの人が勝手に決めているだけかもしれないのだ。文章は非常に読みやすいし、一般人が興味のある事柄を適度なボリュームで簡潔かつ丁寧に述べられているので、人におススメできる本。2016/05/27
やすらぎ🍀
201
脳は快楽を報酬として求めて、過剰刺激が依存症を生む。ストレスが拒食過食、ギャンブルに走らせるという原因は分かっても、理屈だけでは行動を伴わないのが人間であり脳である。…人は物や金など絶対的な量より、他者との比較や順位、立ち位置に幸福や安心を感じている。今が幸せであっても更に幸せな人がいて、いくら稼いでも更に裕福な人がいるなら、永遠に満足は訪れない。…あらゆる病を克服しようとしている人類がなぜ、自ら体内に害のある薬物を摂取するのか。麻薬は、脳内の快楽物質を操作するもの。自己のコントロールは当然不可能である。2021/11/15
ナイスネイチャ
180
図書館本。様々な依存症を詳しく説明されていて、アルコール、薬物、ギャンブルなどメジャーなものから恋愛、セックス、社会的報酬など多岐に渡ってて面白かった。他書も読んでみたいです。2016/05/28
舟江
113
14年12月に既に読んでいるのに、また図書館で借りてしまった。読み終わってから、気が付いた。余程努力が足りないのか、ドーパミン不足しているのか・・・。hahaha・・・2016/01/25