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内容説明
「悪魔を懲らしめねばをかぬ」、「これは日本信仰と西洋思想との戦いである」――。「殺生」を禁ずるはずの宗教が、戦争、そして戦争協力を正当化するに至った論理とは。大日本帝国の時代、ミッションスクールでおこなわれた神道儀礼、銃後の守りを演出する戦没者法要、海外につぎつぎと建立される神社など、諸宗教の軍・政府との相互依存の全貌を、非戦論・抵抗の系譜とともに描き出す。(講談社選書メチエ)
目次
第1章 「二十世紀」の到来―キリスト教公認と宗教政策
第2章 総力戦と大陸への飛躍―第一次世界大戦と布教権
第3章 新国家建設と「新理想郷建設」の模索―満州事変と日本宗教
第4章 大陸での「勢力拡大」―日中戦争と戦時協力
第5章 対米英決戦下の精神界―太平洋戦争と仏教・神道・キリスト教
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三上 直樹
2
先の大戦において、神道・仏教そしてキリスト教までもが八紘一宇に乗じて布教にいそしんだ歴史を明らかにした一冊。 矢内原忠雄氏のように反戦の宗教家の紹介もありますが、それがまったく無力に思えるほど宗教が変節していた事実と、それだからこそ現在の日本会議を組織しているのが、つくづくわかります。2016/07/20
gkmond
1
1899年はキリスト教が日本で宗教として認められた年でそっから敗戦まで各宗教の戦争協力を追いかける。全著ともども著者は各宗教の戦後のほっかむり歴史修正を正してやるってスタンスっぽいけども、国中が染まっていたカルトを宗教枠から外しているんでなんともいびつな印象だけが残った。「民主主義国家でいたかったらこれやっちゃ駄目」の宝庫なはずの明治カルト体制を分析しないで下請だけフォーカスしても疑問ばっかり増えるなあと思った。まあ大元を宗教認定したら1945年で終わらなくなっちゃうので難しいとは思うけども。2023/10/16
maqiso
1
明治維新政府は宗教を管理下に置こうとし、キリスト教は公認したが危険視していた。仏教教団はキリスト教に対抗するため中国での布教を目論んだが失敗し、日本の支配地域で政府や軍と協力して布教を進めることになる。日中戦争以降は仏教神道キリスト教が団結して戦争を正当化し、軍と政府を精神面で支えた。反戦を訴える宗教者もいたが組織的なものにはならず弾圧された。朝鮮と満州、太平洋の諸島などに多くの寺社が建てられたが、敗戦後にほとんどが消散した。2021/08/27
しろきいろ
1
図書館。斜め読み。明治のキリスト教についてしりたくて借りたもののちょっと間違った。巻末資料が膨大で引用の頻度と情報量がものすごいつめこまれてまとまって読めるのでほんとにこのタイトルどおりの内容に興味が湧いたときに再読したいな…すみませんでした2018/06/23
たぬき
1
王法 仏法 ってのは 結構長いコンセプトね2014/06/07