内容説明
12歳の少年・棟像貢太郎は、東京郊外に越してきた。しかし、初めて住むはずのその家に既視感を覚えると、怪異が次々と彼を襲い始める。やがて貢太郎が探り出した、家に隠された驚愕の真実とは!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
121
最近三津田さんの未読の本を読んでいるのですが、どこかで既読感のようなものを感じました。両親を亡くした小学生が主人公で、おばあさんのところに来るのですがこの主人公だけに対して怪異が生じます。これに対して助けになるのが同じような少女です。中学生か高校生向きの話と思いきや後半ではものすごいことになってきます。最後はハッピーエンドにはなるのですが、続きがあるような感じです。2020/04/29
yukision
87
家シリーズ1作目。両親を亡くした少年が祖母と一緒に東京郊外の古い家に引っ越すが,そこでは既視感を覚えるとともに恐ろしい怪異に悩まされるようになる。怪異そのものも怖かったが,少しずつ解き明かされていく事実が一層恐怖心を煽る。最後の一行まで怖かった。2021/10/14
bookkeeper
80
★★★☆☆ 初読。両親を亡くした貢太郎君は郊外の一軒家に祖母と暮らすことに。しかしそこは過去に忌まわしい事件が起きた幽霊屋敷だった…。 深い森と禁忌の祠。怪しげな妄言を吐く不気味な老人。ひたひた、ずるずると蠢くモノ。あぁ出た。怪談噺定番の擬音。襖の奥から聞こえて来る音の正体を知るまでに何ページかかってるんだ…(笑)。近所の玲奈ちゃんの協力を得ながら謎を追う主人公ですが、二人は小学生。調査能力には限度があり、やきもきさせられます。微笑ましい。主人公が子供で、健気に頑張っている感が良いですね。気軽に読めます2020/10/08
おかむー
66
よし今回は真っ当なホラーだったぞ(笑)。ひたひたと背後に迫る禍々しいモノ、暗闇から這い出る怪異、知っているはずがないのに見覚えのある風景、古い神をまつる昏き森、といかにもな道具を危なげなく活用し、終盤にはホラーの下地は崩すことなくミステリの要素も盛り込んだ上手さに感心させられた。『よくできました』。ラストの『まだある』締め方はありがちではあるが、いかにもなホラーらしさに沿っているこの作品の場合、あえてこうしたのであってもよいだろう。森の神がさらりとスルーなところは気になる、というか勿体無いよね。2014/03/06
じゅんぢ
65
三津田作品を読むたび、毎回、うまいなぁと思う。怖いでも面白いでもなく最初に思い浮かぶのがうまいなぁと。そのあとに、怖いとか面白いという感情が来る。今作でも怪異の舞台とその背景そして、怪異そのもの、結末すべてにおいて大満足。2019/01/28