内容説明
校長が、子供がつくる“弁当の日”を発案。保護者から歓迎されない空気が漂う。だが、弁当づくりがある奇跡を起こす。チェコで兵役拒否し投獄された過去をもつチェリスト。日本でボランティア演奏をする彼の強い信念。がんになり、患者の思いを伝えようと“命の授業”を開いた養護教諭。自分の力でまわりを動かし、あたたかな空気を作り出してきた人達の心豊かな生き方。涙の先に希望を信じるエッセイ集。
目次
1章 空気ってなんだろう
2章 空気に流されない
3章 空気に負けない
4章 空気をかきまわせ
5章 空気に染まってみる
6章 空気を変える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みさどん
18
題からは破天荒の話かと思えるがそうではない。空気のように、静かに人に必要とされる人々のナマの生きざまがある。人を殺したくないと兵役に反対して何度投獄されても信念を曲げなかったプラハのコチという音楽家の話。どこからその強靭な精神力がくるのだろうというハセヤン(長野カナディアンファーム)の話は一読の価値あり。うまくいった話の裏には大変なこともたくさんあるのだろうが、筆者鎌田さんもすごい。行きたいところ、見たいところが増えた。2015/11/13
山下哲実
14
鎌田實さんの人柄がうらやましいです。ちょっと話するだけでもホッとするような感じ、憧れるなぁ!2014/07/05
よつば
10
作者のことは知らず、題名とゆるい猫のイラストから、軽く読めるエッセイかと思って読んだら違った。ズシリと重い。懸命に身近な家族のために生きる人から、世界を股にかけて情熱を注ぐ人まで、空気をかき回す人々がたくさん登場する。自分と同業者も出てきた。自分の周りの穏やかな日常に重きを置く私は、喝を入れられているように感じた。私に出来ることは少ない。が、「あたたかさは空気感染する」なら、そこから始めようではないか。2014/11/02
まりにゃ
9
年老いた母が尊敬している人物の一人、カマタ医師。その著書を初めて読んだ。こういう、力強く空気を切り開いていく生き方ができるのは、ある種の先天的個性の持ち主たちだと思う。凡人は勇気を奮っても、正しいと思ったことを「正しい」と言うぐらいがやっとだ。そして、それで良いのではないかと思う。正しさを見失わないバランス感覚と、勇気さえ無くさないならば。・・・・エゴや狡猾さに冷たく固まりがちな現代人へ、温かく熱い生き方をした市井の人々を紹介する本。野性オヤジの話と難民キャンプの話が印象的。2015/09/22
Sachi
9
時折泣きながら読みました。やなせたかしさんのエピソードとか楽しくて好きでした。心があったかい人でありたいと思います。2014/11/18