内容説明
鷲津が鈴紡の次に狙いを定めたのは巨大電機メーカー・曙電機だった。長びく迷走から抜け出せない曙電機は、再生への切り札として芝野を迎え入れる。再び相まみえる宿敵。さらにアメリカの強大な軍産ファンドも買収に参入し、事態は混沌としていく。「会社は誰のものか」。壮絶な企業買収劇を圧倒的なスケールで描く。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
337
ベアハッグやデッドマントリガーといった、カッコいい企業買収用語をお勉強しながら読める。下巻はいよいよ曙電機を巡ってプラザと対決。国を跨いで大活躍する今後へもつながり、鷲津の再生の物語としても先への橋渡しになっている。様々な立場の人物の思惑が錯綜し、それぞれの思考を正しく把握し続けるのが大変になるこの感じ、懐かしく思い出した。これこそがハゲタカシリーズの真骨頂。サムライキャピタルも始動し、チームメンバーも出揃い、鷲津自身も気持ちを新たに。シリーズの中でも実は重要な位置を占める作品。2019/09/23
KAZOO
126
上巻では尻切れみたいな終わり方でしたが、伏線があって総理まで関係して、日本の技術のある電気通信メーカーがアメリカ外資に乗っ取られる話を防ぐ役割を主人公がします。やはり日本人です。そこに繊維メーカーのパンドラの箱が効いてきます。今回を通じて感じたのは主人公が前回よりも人間らしさを出しているということです。2017/06/20
修一郎
84
上巻の鈴紡/月華の攻防に続いて,下巻は曙電機とファンドの攻防,こっちも面白かった! 中堅の電機メーカ-や音響メーカーで実際に外資系ファンドに買収されて厳しいリストラを経て健全に復活したものも多い。描かれた攻防戦の裏側は実情に近いものもあったろう。当時苦境に陥ったH社やM社は選択と集中を徹底させて蘇ったがT社やS社など巨大電機メーカーの苦戦は続いている。今も新陳代謝が続く電機メーカーの現状を真山さんは予想したかのようだ。ドラマを楽しむならここまででいいけど,アランの死の真相が気になるので,次レッドゾーンへ…2018/08/03
sakap1173
31
シリーズ1をさらにスケールアップ、一気読みしました。 いやー、おもしろかった。 再読する本かというとそんなことない気もしますが。 池井戸さんの作品同様、登場人物が熱いので、「よーし仕事がんばろう」という気になります。笑 次は歴史物に回帰。 宮城谷先生の春秋時代ものを読むか、北方先生の南北朝ものを読むか迷っています。2021/02/20
taka61
25
1年間の放浪後、鈴紡買収をあと一歩の所でさらわれた鷲津が次のターゲットとして選んだのは日本を代表する曙電機。アメリカを代表する軍産ファンドも参入し、日米政府を巻き込む経済戦争に。それにしても、ますますスケールアップする鷲津。一体どこまで大きくなるのか。満足の一冊でした!次はレッドゾーンへ。2014/03/16