小学館101新書<br> 文豪たちの関東大震災体験記(小学館101新書)

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小学館101新書
文豪たちの関東大震災体験記(小学館101新書)

  • 著者名:石井正己【著】
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 小学館(2013/08発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784098251759

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内容説明

今こそ読まれるべき貴重な「証言集」

 関東大震災直後から、流行作家たちは新聞や雑誌に次々と文章を書きました。芥川龍之介、志賀直哉、ほか36名の文豪たちが見て、感じて、書いた「大都市災害」を、国内外で震災と復興・防災についての講演を続ける、著者が考察していきます。著者の石井正己さんは、国文学者・民俗学者であり、東京学芸大学教授です。
 「多くの文章は関東大震災の風化とともに埋もれてしまいました。一方で、震災の状況を詳しく知りたいと思っても、もはや生き証人から話を聞くことは難しくなっています。そうしたことを思えば、震災を生き抜いた作家たちの証言はかけがえのない遺産ではないかと思われます」「個別の体験記だからこそ、記録や統計には見られない人間の真情が表れていると言えましょう。」(はじめに、より抜粋)
 90年前の体験記は、被災地周辺で親族を亡くされた方々にとって、当時の様子を今に伝える貴重な記録であり、これからの震災にとって学ぶべき教訓も数多くあります。また、著者・石井正己さんの解説で、文豪たちの真情の吐露が、当時の文壇の人間関係や社会状況と関連づけて読めるのは、この本のもうひとつの楽しみです。

※【ご注意】この作品には一部図や写真が含まれており、お使いの端末によっては読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立読みファイルをご確認いただくことをお勧めいたします。

目次

1章 本所・両国・浅草―河竹繁俊・小泉登美・岡栄一郎・中村吉蔵
2章 上野・千駄木・田端―有島生馬・宇野浩二・野上弥生子・芥川龍之介・室生犀星
3章 番町・日比谷・田町―泉鏡花・与謝野晶子・島崎藤村・佐藤春夫・木村荘太・山本有三・田山花袋
4章 横浜・鎌倉・小田原―西川勉・広津和郎・久米正雄・厨川蝶子・北原白秋・谷崎潤一郎
5章 千葉・福井・京都―原阿佐緒・中条(宮本)百合子・志賀直哉・島木赤彦・秋田雨雀
6章 流言蜚語・虐殺―小山内薫・里見〓(とん)・菊池寛・内田魯庵・折口信夫・竹久夢二
7章 復興・防災―杉村楚人冠・寺田寅彦・永井荷風・平塚らいてう・柳田国男

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

21
花袋の「東京震災記」を読んでみたい。日本人の正の部分負の部分両面が書かれているようだ。デマが元で虐殺が起こったことは知ってはいたが、ここまで浅ましいものだとは思っておらずショックだった。鎌倉に到達した津波も大きいものだったらしい。あらゆる意味で現代に参考にされるべき本だ。2014/02/15

糜竺(びじく)

17
関東大震災に被災した作家本人が記した体験が載せられていてリアルだった。2022/07/30

モリータ

10
◆2013年刊。著者は'58年生の国文学者・民俗学者、東京学芸大教授。◆気晴らしにさっと読めるかと思ったが、残念。地域別に作家の手記を紹介するもので、素材・構成には間違いがないはずなのに読みにくい。その原因の一つは間接(要約)引用の部分。記号(*)で区別してあるのだが、読んでいくとその部分に著者の注釈が含まれていたり(引用コメ①)含まれていなかったり(同②)で、私は混乱してしまった。あと、地図がないとか、とってつけたような東日本大震災へのコメントとか、虐殺について(思ったより)記述が少ないとかもあるが…。2022/09/10

雲をみるひと

4
関東大震災に関して著名な文化人が記した文章を集めた文集。被服廠跡地での大量焼死や朝鮮人、社会主義者の受難等の悲劇が情報不足から起きたことを見るにつけ、現代の高度情報化時代に安堵するとともに情報が遮断された有事における行動指針を平時に定める必要性を痛感した。2018/06/15

かわくん

2
筆者の石井氏は遠野市立博物館の館長を務めたことがあり、その時に一度お会いした。従って三陸地域のことも分かっており、随所に東日本大震災についても触れている。本の中では関東大震災を経験した文豪たちがどのように記録しているかを概観している。多くの著述があったことが分かる。今回の震災でも多くの著述が生まれているが、映像や画像、そして個人がネットを通じて記録したものも多い。将来、どのようなアンソロジーが編まれるのだろうかと、ふと考えた。2013/08/22

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