内容説明
ネットで出会い、メール交換だけで親しくなった千晶と秀紀。仕事や恋愛について、身近な人間には話せないような本音も、メールでなら素直に語れる。けれど、ひとつだけ、嘘をついていることがあった。実はふたりとも、性別を偽っていたのだ。相手を同性と思いながらも、次第に心惹かれてゆくふたりだったが――。性別や外見など、現実の枠をこえて心を通わせる男女の、新しい出会いと恋の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
189
ネットで性別や年齢、職業なんか知らなくても、相手の人間的魅力に惹かれることはある。そんな中、趣味や考え方や好みが一致する人もたまにいて、魂の双子だと思えたことが自分にもあった。オフ会で顔を合わせ、結婚した仲間もいる。この作品では女だと偽った男と、男だと偽った女が相手の嘘を知らずに惹かれていくが、事実を知った後は二人より周囲が盛り上げすぎていて興醒め。それにお互いが魂の片割れ同士だと思うにはメールの内容が浅すぎるので、焦点絞ってもっと濃密に掘り下げて欲しかった。ゲイに対しての描き方もテンプレ過ぎて笑えた。2014/12/17
ユザキ部長
95
ラインをきちんとつなぐ事の大切さ。いくら思いをこめても独りよがりじゃ何も始まらない。♠と♥が交互に入れ替わる展開が+になった時、そのラインが見えてくる。実写化ならキリコは鈴木拓だなぁ。アキヒトは?2016/05/09
マコポン
90
「男だから」とか「女だから」という考えはこの頃なくなってきたのではないかと思う。 男女とも良いところがあるのだから、こういう風な恋愛もありではないかな。二人には幸せになってほしい。でも秀紀はもてすぎでは・・・。2016/01/12
汐
84
性別を偽ってネット上でやり取りしていた男女が互いに惹かれていき、実際に会うことになるお話。女性は女性らしく、男性は男性らしく。その考え方に疑問を抱いたことはないと言えば嘘になります。このお話の主人公達も性別で区切りがつくことに疑問を感じていました。お互いを理解し合うことに性別は関係ないのだと感じました。性別を越えた魂の双子と出逢ってみたいと思いました。2015/09/27
川越読書旅団
74
仕事、恋に疲れた男女が双方の性を偽りサイトで出会い、互いが唯一無二の存在である事に気付く、という内容。ノリが月9的で全ての事象があまりにも主人公やその周辺に都合がよく発生するだけに、とても安心感を持ってズンズンと読むことが出来た。複雑怪奇、難透難解、難攻不落な作品が必ずしもよいとは限らないノダ!2015/10/07