ハヤカワ・ミステリ<br> 特捜部Q―カルテ番号64―

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ハヤカワ・ミステリ
特捜部Q―カルテ番号64―

  • ISBN:9784150018719

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内容説明

「特捜部Q」――過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。「Q」が今回挑むのは、八〇年代に起こったナイトクラブのマダムの失踪事件。アサドとローセの調査によるとほぼ同時に五人もの行方不明者が出ているという。カール・マーク警部補は大事件の匂いを嗅ぎつけ捜査に着手。やがて、壮絶な過去を持つひとりの老女と新進政党の関係者が捜査線上に浮かび上がってくるのだが……。デンマークを代表する文学賞「金の月桂樹」賞受賞! 人気警察小説シリーズ、待望の第四弾!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

161
主人公や助手たちは相変わらず若干軽い感じがするのですが、かなり今回の主題は結構重いものがありよみでが非常にありました。ヨーロッパではナチスの時代から優生保護法的な考え方があってそれがその後も引き続いているということなのでしょう。過去と現在を交互に出しながら読者を捉えて離さない感じがしました。助手の正体が気になります。2016/08/09

ゆいまある

109
このシリーズ、進むごとに面白くなりすぎてもう大変(どうして文庫が途中から電子化されてないんだ!)。どうやらアサドはかなり強い。ローセはトラウマを抱えていそう。カールの私生活も大波乱。そんな中、デンマークでかつて存在した優勢思想に則り、女性を収容して強制的に避妊手術を行った実在した施設が出てくる。怖いのはそこを基盤とした極右政党。殺人事件を追っていた筈なのに、政治家を敵に回してしまい、カールもアサドも大ピンチ。そして洒落にならない展開。長いんだけど退屈する間もなかった。そして続きが気になる。2021/07/25

sin

92
凄すぎます!1作目を超える3作目に続いてそのまた上をいくこの作品の出来栄えに感心しきりです。数年前の失踪事件…そこに関係する人物に絡んで浮かんできた危険思想の集団…信仰の盲信より怖い過激な誤った信念の暴走、そして基調に流れるのは…今回もカールにその影を落とすそもそもの発端として彼を現在の立場に追いやった事件の不気味な進展や、ますます不明なアサドの正体と補って余りあるその活躍、そしてローセの秘密…面白すぎますオールスンさん。2016/03/31

星落秋風五丈原

85
事件の当事者たちの過去と絡めて描かれるのが、デンマークで本当にあった、女子収容所での強制的な不妊手術だ。知能が低いという理由で、施設を出ることと引き換えに強制的に不妊手術を受けさせられていた。今まで個人に対して向けられていた告発が、初めて団体・世の中の動きに向けられたと言える。 カール達の過去にも次第にスポットが当てられており、中でもアサドの抱える過去、彼の底知れない凄味はかなり強調されている。カール自身もわざわざねつ造された写真で告発どのあたりで過去が発動されるのか次巻を楽しみにしたい。 2014/04/08

キムチ27

81
映像から入っての原作 一気読み。北欧モノに飽いてきたとは言え、やはり読ませる・・こちらはデンマーク。コペンハーゲンが舞台。事件のタイムリー性~日本でも強制不妊手術の闇にメスが入れられてきた・・遅まきながら。あちらは11000、日本は16500だものね。国家権力の内部や、有力医師が絡んでいる事もあり、事件が闇に葬られ資料がない。1930年代の福祉で理論づけされている文言が悍ましい。被害者の周囲は無論 アサドもカールも人物像に影を落とす過去のしがらみが少しづつ露わになっていく。同時に作品に厚みと香りを添える。2021/01/10

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