内容説明
東部第一高校陸上部で五千メートルを走る加納碧李は、清都高校のランナー・三堂貢から挑発の言葉を投げかけられる。天才とまで謳われる貢が、なぜ碧李に? 本能で走ろうとする碧李と、レースを知り尽くした貢。二人が対峙したとき、その走りに化学反応が起きる――。反発しながら求め合う少年の肉体と感性が跳躍する、超人気シリーズ第二弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
utinopoti27
124
「ランナー」シリーズ2作目。今回は、妹の虐待に心を痛め、走る意欲を失いかけている碧季の前に、一人の天才ランナー貢が現れます。高校陸上5千メートルの記録会で、その流麗で力強い走りを目の当たりにした時、碧季の走りに変化の兆しが・・。思春期の少年の、躍動する肉体と瑞々しい感性を描かせたら、抜群の表現力を誇る作者の真骨頂が、わずか2百ページに凝縮されています。ありがちなストーリーも、あさのさんの手にかかれば、若く猛々しい胸の鼓動が耳元に聞こえてくるかのよう。サクッと気軽に読めちゃうのもGOOD!取り急ぎ続編へ。2018/01/22
七色一味
51
読破。地区大会の1日を描いた、『ランナー』の続編。前作読破後、かなりの期間開いたにもかかわらず、意外としっかりと前作の内容が頭に残っていて、割とすんなりと作品世界に入り込めた。ライバル? と同時にちょっとイヤな──痛いところを抉るキャラの登場と、この先も目が離せない展開…。それにしても、だ。どうしてこう、出てくるキャラ出てくるキャラ、みんなバックボーンが重いのかねぇ…。2013/06/09
SOHSA
40
《購入本》ランナーに続き読了。主人公らの抱える闇はいまだ解決されない。しかし、少しずつ前進していると信じたい。今後の展開はどうなるのだろうか。読み手としてもこのまま放置するわけにはいかない思いに駆られる。次巻「レーン」最終巻「ラストラン」を読まずにはいられない。2022/12/01
nins
38
読みたかった「ランナー」の続編。前作はランナーというタイトルの割には家族の問題などがメインだったこともあり、走りの部分の話も読みたかったと思っていたので今作ではしっかり走りの話へ。碧李が挑む五千メートルの記録会。敗北した走りからの復活。練習でも復調の兆しは見えていなかった碧李が、陸上名門校にいた名門出身の三堂の強さに引っ張られるようにして自然体の本来の力を発揮していく。母と杏樹の関係や杏子の恋、マネージャーとして再起するノブなど周囲の話も交えながら。レースの描写も満足。次の文庫化が待ち遠しい。2013/05/22
チアモン
33
やっぱりあさのさんの作品は好きだ。加納家が前作より、絆が強くなった感じがする。碧李が再び走り始め、復帰レースがメインだったが、本当にあさのさんは少年の微妙な心の変化などを描くのが上手だなぁと思った。今後の碧李の成長を追い続けていきたいと思った。2017/05/19