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内容説明
ドイツ文学者にして幅広いテーマドイツ文学者にして幅広いテーマで執筆活動をつづける著者が、長年取材を重ねてきた「山里」に関する紀行集。
本編では、30もの山里を実際に訪ねて歩き、見て、そこに暮らす人びとと語らって感じた、現在の山里に残る「知恵」や「伝統」、そして「希望」や「危機」を綴ります。
あえて「永遠のよそ者」に徹し、実際目にした「山里」の現実を写生しつつ、ときに文明批評的な鋭い視線を投げかけ、
ときに山里の人びととその暮らしをあたたかな眼差しでつつみます。
山里の現在が概観できる、池内流山里紀行の集大成。
目次
1 信仰集落のかたち(塔を建てる(青森県・西目屋)
お山入り(岩手県・岳) ほか)
2 移住者たち(山上集落(埼玉県・風影)
古民家考(埼玉県・栃本) ほか)
3 水の使い方(元勲登場(栃木県・那須野が原)
乏水地帯(群馬県・赤城山麓) ほか)
4 特産のはじまり(黄金九百両(宮城県・涌谷)
コンニャク玉(群馬県・立処) ほか)
5 「秘境」の現在(隠れ里1(山梨県・奈良田)
遠山郷(長野県・下栗) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
52
北は東北、南は四国まで日本各地の山里を歩いた記録。文章で読んでいると昭和の時代を歩いているような心地にもなってくるが、実際は現在の話なんですよね。読者自身の理想の山村が文章に投影されてそう感じるのかなあ。しかし日本全体がのっぺりと均一化されている現在において、「地方」が残っているのはこういう山里だけではあるまいか、と読んでいてそういう気分にさせられる。田舎住みの身として山里に暮らすのがいかに大変かは、おぼろげながらも理解はしているつもりだけど。勝手な言い草だけど、やはりこういう風土は残って欲しいのである。2016/07/25
メタボン
4
☆☆☆ 「街道をゆく」の山里バージョン。著者の日本民俗に対する造詣の深さが感じられる。限界集落という言葉が象徴するように、日本の山里での暮らしはギリギリで維持されている状況であり、このまま歴史の中に埋没してゆくのだろう。消えゆく山里へのまなざしはあたたかい。2013/06/23
メルセ・ひすい
3
初出 季刊誌「山の本」(白山書房)掲載 `06春号(55巻)~2012秋号… 山里!たいてい坂のキツイうねうね道をたどっていく。あるく人はめったに見かけない。かつては皆が歩いたことは、道そのものが示している。人の足がひらいた道であり、うねっているのが自然なのだ。拝拝拝 全国の山里を訪ね、丹念に小径を歩き、土地に遺る知恵や伝統、そして、里人の希望や危機を探る。旅の達人・イケウチ先生のちょっと風変わりな旅の記憶。山里から見た、この国のリアル。2013/01/07
yamakujira
1
30編の紀行文集。連載時に既読の文章が多いけれど、かなり加筆しているらしいね。「農鳥岳に登りたいが、わが体力ではもはやムリである」なんて述懐が切ない。著者はそろそろ喜寿なのかぁ。せっかくの山里探訪、もっと写真とか、絵地図とかあれば、さらに興趣がわくのにな。 (★★★☆☆)2014/01/18
k_jizo
1
★馴染みのある秩父あたりから多少イメージができたが、文章だけでの連想はきつかった2013/07/11