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内容説明
「見捨てられ不安」を抱く境界性、尊大さの背後に別の人間像を隠し持つ自己愛性、「恥の心理」を抱える回避性……。精神科臨床の最前線に立つ著者が、豊富な症例をもとに、現代の病ともいえるパーソナリティ障害の心理構造から周囲の接し方まで丁寧に紹介する一冊。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
molysk
57
パーソナリティとは、先天的な気質と後天的な環境の両方の影響を受けて形成され、人間の行動を規定するもの。パーソナリティ障害の人は、対人関係や感情調整などに困難を抱え、社会的生活を営むうえで障害を生じている。本書は、パーソナリティ障害の様々な類型について、症状や対応などを解説する。心理学という分野の特性なのか、詳細な例は数多く紹介されるのだが、体系的な理解が難しかった。また、心理学用語の一般向けの説明が不足している。例えば、「パーソナリティ」という言葉の定義が本書に見つけられず、辞典で調べる必要があったのだ。2022/08/20
もちもちかめ
26
新書なのにかなりちゃんと勉強になり、参考文献もハッキリしてる。パーソナリティ障害って、いろんな性格あるけど、それぞれに行き過ぎると障害、つまり本人にも周りの人間にも害になる行動(症状)を起こすことがあり、それは問題だからなおしたいよね、って感じ。そういう初歩から知らなかったので、読む本は選ばないといけないなと思います2019/05/06
Mik.Vicky
15
パーソナリティ(個性)とパーソナリティ障害の境目がやはり素人判断じゃ難しいということがよくわかった。本の対象が多分、素人ではなく専門家になりたてとかなろうという人だと思われ、素人の私には少し難易度が高いところがあった。2020/07/20
eirianda
15
スキゾイド、サイクロイド、妄想性、反社会性、境界性、自己愛性、回避性、強迫性、演技性。いろいろ分類してもいくつかのタイプを混在してこじらせてる人格障害。その時々の社会の流れによりその分類も変化していく。家庭環境だけでなく、人生の節目でこじらせる人もいる。わかる気がする。おばさんですから。思い通りに行く時も行かない時もある。うまくいかない時にどう対処するか、自分の心をどう処理するか。まあここで完璧を求めると余計にダメな気もするし。人格障害に隠れた本当の人格なんて、あるのだろうか?2016/05/25
生ハム
12
性格が「病む」とはどういうことか。筆者の豊かな臨床経験から、色々なパターンの性格特性が説明されています。 性格を形成する上で、やはり「文化」はとても大きな影響を持っていると思います。 日本特有の価値観があったり、振る舞い方があったり・・・ その点で、特に森田療法の視点から、回避性パーソナリティを、 神経質傾向を基にした対人恐怖症として組み込んでいたのが印象的でした。 パーソナリティが「パーソナリティ障害」となるには、 やはり他者との関わりからくる「きっかけ」がある場合がほとんどなんだなぁ、と。2013/01/12