講談社現代新書<br> 死刑と正義

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講談社現代新書
死刑と正義

  • 著者名:森炎【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2015/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062881838

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内容説明

「ある日、家族が侵入者に殺害されたら」「社会の安全が揺らいだら」――。裁判員制度下、市民は正義の判断を下さなければならなくなった。何が死刑と無期懲役を分けるのか。その裁きを決める根拠とは。秋葉原通り魔事件、光市母子殺害事件、附属池田小児童殺傷事件などを手掛かりに、元裁判官が問いかける現代の罪と罰。(講談社現代新書)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GAKU

56
こちらの書はただ単に死刑の是非を述べているのではない。死刑空間①~死刑空間⑤までの五つの具体的判例を挙げて、どのような場合に死刑が適用されたかが、分かり易く論理的に書かれている。さらにその際の問題点までも。今まで読んだ「死刑」に関する本とは、一線を画す1冊。「死刑制度」に興味のある方には、賛成派、反対派問わず、お薦めしたい1冊でした。2018/12/17

mana

41
死刑を廃止している国が多い中、存続させている日本。職業裁判官は一元的判断が求められるが、裁判員制度がある今、無期懲役ではなく死刑を選択する理由は何なのか?を深く掘り下げた本。市民生活や国家の安全を優先するために、司法殺人を正当化できるか?事実上の終身刑では収まらない場合とはどんなものか?…安易に死刑を選択することはできないし、感情的になるわけにもいかない。かといって、同じようなケースで差が起こるようなこともあってはならないと思うし…。複雑なテーマすぎて、感想を書くのも難しい。。。2022/08/07

壱萬弐仟縁

35
終身刑か死刑か? 近代市民社会は、民主的な政体のもとに自由と平等が確保される自律的な個人の集合体として観念される。J・S・ミルによれば、市民社会と市民生活が擁護されなければならない理由は、システムが自由や平等のために有効である以上に、市民の精神的・知的発展のために最適だから(『自由論』『代議政治論』59頁)。終身刑とは、刑務所内での生活を認めること。施設内処遇(61頁)。受刑者は人権を求められた存在で、在監者の人権、在監者の人権享有主体性という(62頁)。 2015/01/14

姉勤

34
通読中感じていた違和感は、ぶっちゃけて言えば、すべてキリスト教由来の価値観なのね。近代文明を成し遂げたのが、その諸国だから他の価値観以外は取るに足らぬものとして載せていないのか、引用できるリソースがないのかどちらにしても、当然その物差しだけで善悪は計れないのだが、著者の土俵に乗らない自分のような人間は縁なき衆生だろう。死刑肯定も否定も、全うできる正義が無い。それはそう。人が一切の犯罪を犯さない超高等生物になるまで待つか、人も獣として全ての個体の行動を肯定するか。決着するまでの繋ぎとして死刑は置いとこう。2024/02/10

テツ

21
僕自身は死刑肯定派で死刑残置論者だけれど死刑というシステムはどうしたって一人の生命を社会が奪うという圧倒的な暴力装置ではあるので、個々人がそれぞれ知識を得てそれぞれ思考しその上で賛否を語らなければならないなと強く思った。加害者から生命を奪うか無期懲役なのかを分かつ論理的な根拠などについても自分なりに考えることが出来た良書。正義とはどんな形をしているのか。そしてそれは人の手で成し得ることが出来るのか。2017/12/21

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